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文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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短期旅行で英語を磨こう

 本学では、毎年8月中旬から9月上旬にかけて、アメリカ合衆国シアトル市で文化・語学研修プログラムを実施しています。これは大学の授業なので、研修前の英語レッスン、シアトルの地域研究を行ってからの参加となります。現地では、午前中に英語研修を受け、午後にはベルヴュー市内の見学、現地の高校生との交流、アメリカならではのボランティア活動に参加します。学生にとって一番の体験となるのは、やはり1家庭1名のホームステイ体験でしょう。日本語が使えない環境にあって、ホストファミリーと四苦八苦してコミュニケーションを図った体験が、帰国後には英語習得のモチベーションをさらに上げます。大学の4年間のうちに国外での経験を積むことは、異文化体験の少ない日本人学生にとっては大変意義のあることだと確信しています。

 ただし、アメリカ合衆国での約1か月の研修費は35万円を超え、多くの学生が参加できるというわけにはいきません。そこで大学生に安価で英会話の実力をつけてもらうため、本学でもフィリピンでの語学研修(単位取得不可)を薦めております。1週間程度の滞在でおよそ8万円の研修費は、学生にとって魅力のはずです(注1)。英会話教師は英・米・豪・加の英語話者がほとんどで、比較的治安もよく日常的にも英語を話すしかない環境は、ほぼ同距離・同価格のグアム・サイパンでの英語研修で日本語が使えてしまうことに比べると、理想的といえるでしょう。英語圏であるオーストラリア・ニュージーランドの研修では20万円程度を覚悟しなければならず、シンガポールやハワイでも10万円を超すのが通常です。

 学生に限らず英会話を上達させたい人に薦めたいことは、フィリピンでの英語研修(グアム・サイパンも含め)のような安価で短期の語学研修を1年のうち数回繰り返すことです。1週間程度の休みを使い、春、夏、秋、冬に英語しか話せない環境に身を置くこと、これを実践すると、日常会話程度なら簡単に身につきます。大学時代の私の友人は、毎年夏休みにアメリカ合衆国で1か月ほど知人宅に滞在しておりましたが、英会話力は英文科の学生の中でも群を抜き、アメリカ人教師と様々なトピックについて議論ができるほどでした。長期留学が望めなくとも、旅行程度の経験でも繰り返すことで言語は習得できるのだということを、この友人を通して実感しました。

教授 白井菜穂子

(注1)担当部署は国際交流センター。費用は研修地や語学学校による概算。
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by bwukokusai | 2014-08-26 10:00 | 教員コラム

文字で苦しむ、文字で楽しむ

私の主な担当授業は留学生対象の「日本語」ですが、「日本語は難しい」のでしょうか?まあ、そのように日本人自身がよく言います。他の言葉もそれぞれに外国人にとっては難しいものであると思いますが、ただ、文字の種類が3種類もあって、日常的に使いわけないと大人として通用する文章が書けないという言語はあまり多くないでしょう。

外国人学習者が最初に学ぶのはひらがな、次にカタカナ、それから漢字、ということになりますが、ひらがなは46文字、カタカナも同じ数、漢字にいたっては日常の成人の生活に必要な常用漢字が2000字くらいあって、でも実際に使われている漢字はそれ以外にもっとあって、ときどきアルファベットも使われて…となると、学習者の立場から見ると、やっぱり、げんなりするのではないでしょうか。

日本人はひらがなほど簡単な文字はないように思っていますが、初めての人にとっては、形と音の関連がまったくないものを46個も新しく覚えなければならないのは本当に大変だ、と感じるようです。「く」と「へ」など、「形が似ているくせに、音がまったく似ていない」というのは、覚える側にとっては重大な裏切りに思えるでしょうね。私も、ひらがなを覚えきった外国人学習者に対してあっさり「次は漢字ね」なんて言わないで、もっと感動するべきなのでしょう。

個人的なことで恐縮ですが、中学1年のうちの子供は書き取りが大の苦手です。小学生のころの彼の書いたものを見ると、「シ」と「ツ」どころか「ち」と「よ」と「5」が区別できないなど、外国人学習者が初めのころ書く字と非常に共通していて、「線の集まり」を「文字」として他の人に認識させる形に仕上げるための調整は、相当微妙なものなのだと実感しました。彼は今、漢字に苦労しています。線が1本多かったり、組み合わせる偏を間違えたりして。

外国人学習者も日本の文字、特に漢字に苦労するのですが、しかし、そのうち、はまってしまう人もいるようです。それも、漢字を持たない国の人のほうが、感動が大きいようです。

あるアメリカの人は、こう言っていました。
「漢字は、読み方がわからなくても、意味がわかるからすばらしいね!僕は寄生虫が好きなんだけど、漢字で名前が書いてあると、字を見ただけで、これはどんな性質を持ったものかすぐわかるもんね。」

英語は表音文字なので、文字は音しか表しません。一方、漢字は表意文字なので、音だけでなく意味も同時に伝えます。ですから、英語は単語の音が再現できないと意味がまったく伝わりませんが、漢字語だと音がわからなくても意味はそこそこ伝わります。こういう「自らが持っていた“文字”の概念を覆す」という部分に、「大人として」の感動があるようです。

反対の立場で考えてみると、日本人がローマ字を学ぶとき、同じような感動があるのかもしれません。母音と子音を別々に表せる文字があるんだ!と。そういえば、ネットスラングの「kwsk(クワシク)」などは、アルファベットの子音表記だけで日本語の言葉を暗号のように『伝わる奴だけに伝えよう』という試みですね。

または、ハングルを学ぶときも驚きがないでしょうか。母音と子音の部品を覚えれば、組み合わせてひとつの字にできちゃうんだ!初めて見た字でも音だけはわかる!などと。

かなり前ですが、うちの近所の塀にこんな「雰囲気」の落書きが書いてあったことがあります(本物は思い出せないので、ここに書いたのは私が考えた例です)。
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それを見るたび、アルファベットなのに横に読んでも意味を成さないことが気になり、上の文字と下の文字を縦に組み合わせたらハングルになっているのではないか、もしそれで意味を成していたらおもしろいな、と思っていました。先の私の考えた例でいくと、こういう組み合わせになります(残念ながら、この例には意味はありません)。
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知っている文字の種類を増やすということは、そのぶん、文字で楽しめる範囲を広げるのかもしれません。語学教師くさいまとめですが。

准教授 星 圭子
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by bwukokusai | 2014-08-12 09:00 | 教員コラム

日本語教育実習終わりました

現代文化学部には日本語教員養成課程が開設されており、それぞれの学科の専門に加えて、日本語教員になるための勉強をすることができます。日本語教育実習はその集大成であり、毎年履修生の状況と可能な実習場所とを考え合わせ、実習内容を決めています。今年度は新宿の文化外国語専門学校に日本語教育実習への協力をお願いしました。文化外国語専門学校にある日本語教師養成科の実習と同時期、6月下旬から7月上旬にかけて文化学園大学の実習クラスを開かせていただいたのです。日本語科の初級レベルの学生さんを対象に参加希望者を募り、正規の授業後に行われる実習クラスに参加してもらいました。

初級対象の日本語教育実習は授業見学と文型の導入・練習を中心とした教壇実習とが中心になります。授業で取り上げられる文型は初級の学生にとっては未習のものから選ばれています。初級の学生にとって初めて習う文型を実習生が担当することになるのです(ちなみに、後で正規の授業でも取り上げられることになっています)。今回選ばれた文型は、「(まるで)~ようです」、「~たまま~します」、「~ようにしています」、「~しているところです」などでした。留学生2名を含む5名が実習を行いました。

教案作成・模擬授業は大学の授業でも行っているのですが、実際の初級レベルの学生さんに教えるのは緊張感がかなり違うようでした。皆、必死で資料を集め、読み込み、流れを考え、教案にまとめました。さらに授業で使用する絵、文字カード、練習プリントなどを準備していました。模擬授業では5~10分くらいしか続かなかった学生たちですが、皆担当の25分をしっかりとやり遂げました。終わるたびに初級の学生たちが拍手してくれていたのが印象的でした。

学生たちに実習の体験を振り返ってもらうと、教えることがいかに大変かということを思い知ったという意見が多かったです。授業の準備の大変さももちろんなのですが、授業の始まりの部分から雰囲気づくりをし、引っ張っていかなければならないことを実感したと話していました。ずっと教えられる側だったけれど教える立場になって教師の気持ちが分かったとまで言っていました。初級レベルの学生に理解してもらえるように、言葉や文法をコントロールして話すのが難しかったという意見も複数出ました。これは共通語が存在しない多国籍の初級日本語クラスで新米教師も感じる戸惑いです。大変だったけれど、教えるのが楽しかったと言った学生もいて、嬉しく思いました。

文化外国語専門学校とは別に、本学科の留学生の出身校で授業見学をさせてもらえることになり、先日留学生ともども挨拶に伺いました。東日本大震災の影響で大きく減少した来日留学生数も最近はかなり回復してきており、日本語教師が不足しているということでした。ベトナムに関連校があるので、一か月くらい現地で研修をすることができるというお話、教師を目指している学生がいたら紹介してほしいというお話を頂きました。卒業単位以外に日本語教員養成課程を履修し、将来への選択肢を広げてみるのはいかがでしょうか。

教授 齊藤眞理子
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by bwukokusai | 2014-08-05 09:00 | 教員コラム