文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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日本語話者がバイリンガルになるには?

 7年後をめどに、小学校では英語の教科化を図り、中学校では英語の授業は原則英語でする、ということに決まるようですが、本当にコミュニケーション能力を上げるつもりなら、その授業内容が問題となります。
 英語と日本語をバイリンガルに話すには、自分の意見を英語にしなければなりません。まず、「しっかり母語でものを考える」「自分の独自の意見を持つ」が大事で、それから英語で表現してみることがよいと思います。従来の学校教育のように英会話のパターンを覚えるだけなら日常会話どまりです。本当のコミュニケーション能力とは、自分の意見を発話し、相手を説得する力です。
 多言語を自由に駆使する教育を行っているフィンランドでは、小学校の外国語教育は主にワークブック、作文とスピーチで組み立てられています。例えば、自分の宝物をクラスメイトに紹介するのに、英語でスピーチをします。もちろん原稿を作って、それを覚えてくることが必要です。わからないところは先生が個人指導をして、しっかり書かせます。最初はこの様にして英文を作成し、スピーチ原稿を書き、声に出してスピーチの練習をすると、英語の構文が頭に入ります。そうすれば原稿を書かずとも自分の意見が英文になって発話できるようになるでしょう。
 英語を自由に話したいと思う日本人は、まず、自分の話したいトピックを設定し、自分の意見を日本語で箇条書きで書いてみます。それから、そのアウトラインを見ながら中学・高校で習った構文を使って、自分の意見を英語で書いてみます(決して日本語の文章を英語に翻訳してはいけません)。スピーチ原稿なので会話体で構いません。その後は、スピーチ原稿の英語を誰かに直してもらいます。知り合いに英語話者がいない場合は、日本人で英語の出来る人に頼むか、あるいは比較的安価で英文校正をしてくれる会社がネットで見つかるはずです。そうして英文を磨いていきます。原稿ができたら、今度は声に出して何度も読み返し練習します。一番良いのは自分の声を録音し、iPodや携帯に保存し、時間のあるときに何度も聴き直し、英文を覚えるようにすることです。こうして自分の声で英語を聴けば、自然に英文が覚えられ、実際の会話の中で自分の言いたいことがすらすらと英文になっていくはずです。試してみてください。

教授 白井菜穂子

【進学相談会】
教員が個別に対応する進学相談会が行われます。開催は11/16(土)、12/14(土)、1/18(土)の全3回です。観光、国際文化に興味のある方は小平キャンパスまでお越しください
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by bwukokusai | 2013-12-24 14:28 | 教員コラム

釜山国際映画祭のボランティア活動を終えて

現代文化学部 国際文化学科 国際観光コース3年
李ミンジョン

釜山出身の私にとって釜山国際映画祭のボランティアは何年も前からずっとやってみたいと思っていた活動でした。それで、「今年じゃないと絶対無理だ」と思って応募し、書類選考や面接を受けました。その結果、私は10月3日から10月12日までの10日間『第18回釜山国際映画祭』にボランティアとして参加しました。映画祭は3日からスタートする日程でしたが、チームのスタッフの方々との打ち合わせや細かい事前教育のため1日から仕事を始めました。
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私は広報チームの個別インタビュー日本語支援を担当しました。個別インタビューでは日本の監督や俳優のゲストとスタッフの間の意思疎通をはかりました。ほとんどゲスト関連の仕事だったので、観客の皆さんと直接、接する機会はあまりありませんでした。しかし、時々日本人や他の外国人の方と会った時、すごく良い反応をして下さって嬉しかったです。最初は思った以上に、有名な監督の方々や俳優を担当することに対して驚き、「こんな自分で大丈夫かな?」と心配しました。なぜなら、インタビューの初日から俳優のオダギリジョーさん、前田敦子さんのスケジュールが入っていたからです。また園子温監督、黒沢清監督なども担当しました。スタッフの皆さんは全員韓国人で、海外ゲストに対しては英語しか話しませんでした。日本語支援として働いた間は責任も感じたし、緊張して自分が間違ってしまうのではないか心配でした。でも、時には私は監督さんと冗談も言い合っていました。

個別インタビューの担当だったからできた大切な経験やゲストの皆さんとのいろんなエピソードは思い出になります。10日間のボランティア活動は私にとって、本当に幸せな時間でした。素敵な経験や良い人々との出会いは自分にとって大きなプレゼントになりました。来年も機会があれば、また参加してみたいと思います。

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by bwukokusai | 2013-12-17 09:00 | 学生コラム

≪ 英語俳句で広がる世界観 ≫

アメリカのある大学で学部長を勤めている私の友人は、詩人でもあり、英語で俳句を書くのが得意です。彼は数々の賞もとっていますが、その週の新作を私にメールで送って来ては、日本人である私の意見を求めます。忙しくてまめに返信出来ていないものの、気分をリフレッシュさせてくれる句に出会えることも時々あります。
 
最近私が気に入った彼の句を、紹介しましょう。

melting snow
a cardinal pecks at
fresh water

何とも言えないすがすがしい冷たい空気と静寂が感じられる俳句です。 cardinal はショウジョウコウカンチョウという鳥ですが、ローマ・カトリックの枢機卿が身につけている衣と帽子の緋色を思い浮かべて下さい。

この句の素晴らしいところは、雪によって寒色系の白を呈示したのちに、鳥の赤い暖色をもってきて、絶妙なコントラストを示している点だけではありません。鳥は、雪解け水の流れにくちばしをよせ、ついばむようにこれを飲んでいます。読者はここで、生き生きとした色を持つあらゆる生命の源が、実は無色透明な水であることを実感できるのです。美しい色を持った鳥の咽喉元を過ぎていく清らかな水を想像して、心の中でその姿を静かに見つめている自分を感じませんか?

あらゆるものが融合し共感しあっていくような優れた俳句の世界観は、とても奥深く、そして大変素直です。芭蕉の例でも解かる様に、その世界観は宇宙観と言っていい広がりに到達することも多く、読み手も読者も一個人の経験を超えて万物とつながっていくことができます。

また、俳句は凝縮された魅力を持つ文学の一形態です。アメリカ作家のエドガー・アラン・ポーは、短編小説の名手としても知られていますが、19世紀においてすら、「我々の忙しい時代には one sitting の文学(一度すわった間に読みきれる文学作品)が望ましい」と述べていました。あなたが、(心を亡くすほど)忙しければ、心を豊かにしてくれる文学はなおのこと必要です。俳句は、文字を読むのは一瞬に近かったとしても、句意を推し量り情景を思い浮かべながら、その味わいは心の中で刻一刻と深まっていきます。その過程において、俳人が卑近なものを高みへと移行させていった感覚を共有することも出来ます。是非、英語俳句を通して、英語と文学両方の世界を広げていって下さい。
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教授 久保田 文


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by bwukokusai | 2013-12-09 00:00 | 教員コラム

ナショナル・トラスト(The National Trust)

今年6月22日に富士山が世界遺産に正式に登録された。世界遺産は、1972年ユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づいて登録された文化遺産や自然遺産であるが、民間団体も歴史的建造物や自然の保護・保存に力を入れている。その1つがナショナル・トラストである。今回はこのナショナル・トラストについてふれてみたい。

ナショナル・トラストは、自然環境や歴史的建造物保護を目指す英国の民間の非営利団体である。19世紀の英国では産業革命が進んでいたが、その産業革命により都市化が進み、田園地帯が開発の波に押され自然破壊が進んでいった。そのような状況の中で、自然環境や歴史的建造物の保存を進めるためにナショナル・トラストという組織が、1895年弁護士のロバート・ハンター、社会事業家・婦人運動家のオクタビア・ヒル、牧師のハードウィック・ローリンズの3人により設立され、運動が始まった。ナショナル・トラストは、国民の手で美しい自然や歴史的建造物を永久的に管理すると同時にその資産を国民に開放し、少数の富裕者による支援ではなく、広く国民に浸透した組織作りを目指している。

「ピーター・ラビット」の作者のビアトリクス・ポッターは、このナショナル・トラストと深いかかわりがある。ポッターは上記のローリンズ牧師から自然保護に関して多大な影響を受け、ナショナル・トラストの設立前から最大の協力者となっていた。ポッターはイングランド北西部の湖水地方に住み、その風景と暮らしを絵本に描きながら、農場などを次々と購入し環境保全活動に参加していた。彼女の死後、4,000エーカーの土地をはじめ全ての資産がトラストに寄贈された。現在、ナショナル・トラストが湖水地方の約3分の1を保有している。英国全体では、350箇所以上の建造物や遺跡を保有し、その総面積は25万5,000ヘクタール以上にのぼる。 そして、多くの会員とボランティアが活動を支えている。バーナード・ショーやウィンストン・チャーチルの邸宅、ビートルズのジョン・レノンやポール・マッカートニーが少年時代住んでいた家等もトラストは所有している。

英国の他、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アメリカ、マレーシア、バミューダ、フィジー、ジャマイカ、韓国、台湾、日本などにもナショナル・トラスト運動は広がっている。

日本では、1964年に鎌倉を乱開発から守るために、作家の大佛次郎が立ち上がり、鎌倉市民と共にナショナル・トラスト活動を展開したのが始まりである。

教授   石田 名都子


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by bwukokusai | 2013-12-03 09:00 | 教員コラム