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文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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毎年1週間の英語ブラッシュアップ

2013年3月の休暇を使い、国際ファッション文化学科の学生と一緒に1週間のロンドン旅行をしました。本学で教え始めてから、海外旅行といえばアメリカ研修の引率程度で、イギリスに行くのは久しぶりでした。いかに伝統を重んじるイギリスといえども、ある程度の変化を期待して行ったのですが、ロンドンは全く以前と変わらない姿でした。
あえて変わったところを指摘するとすれば、日本のスイカ・パスモのような「オイスターカード」(奇妙な名前をつけたものです)が随分と普及しており、バス・地下鉄の移動は非常に便利でした。しかしさすがにイギリス、お金をチャージ(イギリス英語ではtop up)しようとすると機械の故障で数ポンド損をしました。

オイスターカード
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また、新たにロンドン・アイという観光名所もでき、25人も乗れるカプセル型観覧車は、大人約2,500円という高額で一周20分程度でロンドンが一望できます。これに乗ると、ニューヨークや東京と違ってほとんど高いビルのない平坦な大都市ロンドンの全体像を見ることができます。ヨーロッパの都市計画が景観重視で歴史的建造物の周辺環境を損なわないように考えられていることがよくわかります。それにしてはロンドン・アイ自体が、対岸のウェストミンスター宮殿(国会議事堂)などテムズ川周辺の古色蒼然とした建築物と全くそぐわない娯楽施設であると個人的には思いますが。

ロンドン・アイ
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カプセルからウェストミンスター宮殿を望む
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イギリスへの観光旅行は、他の英語圏の国と比べ旅費がたいへん高く(往復航空券だけで15万円くらいは覚悟しなければならない)、学生には簡単なことではないけれど、それでも半年や1年の留学に比べれば実現可能です。忙しさや経済的理由で留学ができなくても英会話力をつけるためには、たとえ1週間でもよいから1年に1回は英語圏への旅行をすることが有効です。日本で半年も英会話学校に通うくらいなら、現地で英会話の練習をする方がはるかに効果的です。これを毎年続けることによって徐々に英語が話せるようになります。
今回のロンドン旅行で私たちが宿泊した先は、定年退職したご夫婦が経営するB&B(Bed & Breakfast)でした。学生にとってもよかったのは、朝食時にはご夫婦や他の宿泊客と会話があり、英語の勉強になることです。今回はスコットランド、アイルランドからの旅行者と話すことができ、各地の特徴ある英語が生で聞けました。たっぷりとしたイングリッシュ・ブレックファストを平らげた後は、学生たちは毎日、ロンドンのストリート・ファッション、古着屋めぐりをしました。帰国する頃には、古着屋の売り子さんを相手に(通訳の私をほったらかし)、値札の3分の1までに値切り倒すほどの凄腕を発揮しました。たった1週間の滞在でも、これを毎年続ければ、私をはるかに凌ぐ英語の達人になることでしょう。

B&BのEnglish Breakfast
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前衛的なStreet Wall Painting
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ロンドンで人気の靴屋Irregular Choice
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教授 白井 菜穂子
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by bwukokusai | 2013-08-27 09:00 | 教員コラム

Have you eaten?

Have you eaten?

 もう30年近い前の話でありますが、カナダに留学している時、中国本土からの研究員の中年男性にキャンパスで挨拶がわりに聞かれたことがありました。予期していなかった質問だったので、初めて聞いた時は、きょとんとしてしまいました。私と同じ学科の中国人留学生の知り合いという程度で、親しくもない人に「ご飯食べた?」と聞かれる筋合いはないのに、などと思いながら、適当にYes かNoを言ったと思います。一度だけではなく、何度か聞かれたので不思議に思っていました。「ご飯食べていないなら、食べに行こう」というようなお誘いではありませんでした。生物学の研究者で、中国とロシアが仲の良かった時代にロシア語を学んだ世代の方で英語はあまり上手ではないようでした。

 その後、中国語に興味を持ち、カナダ留学を終えた夏休みに、カナダの大学と提携している中国長春市の吉林大学で短期中国語研修をカナダ人学生とともに受けました。中国語を学び始めて “Have you eaten?” の意味がやっとわかりました。「ご飯食べた?」と言うのは中国の挨拶だったのです。食事が満足にとれなかった貧しい時代の挨拶、食に重きを置く中国文化を反映した挨拶で、その男性は英語に直訳して私に挨拶してくれたのでした。でも、当時中国でも「你 吃 饭 了 吗?」(ご飯食べた?)はあまり使われていない挨拶で、古風な方で食事を大切にする方だったのだろうと推察しました。事実、私が上海に遊びに行った時には、奥様と一緒に美味しい手料理をふるまって下さいました。

  さて、長春で2ヶ月だけ中国語を学んだカナダ人学生達と私は、ほとんど中国語はしゃべれないにもかかわらず、広大な中国大陸バックパック貧乏旅行に出かけました。私以外は漢字は読めず、片言の中国語での珍道中でしたが、その折我々が不思議に思ったのは、普通の中国人は「你好!」と挨拶しないことでした。北米で英語で生活している者にとっては、“Hello!” “Hi!” は、毎日何度と使う挨拶で、知らない人にでも気軽に呼びかける言葉なので、その中国語版と思って「你好!」を連発してみても返ってくる言葉がないことに変な気がしました。外国人旅行者がまだ多くない頃だったので、外国人と話をしてはいけないのだろうかなどと思いました。

 「你好!」は中国語学習者だけに浸透している言葉と思っていましたが、中国人の間でも使われるようになったということを最近偶然知りました。元ザ・タイガーズ(注)のメンバーでバンド解散後に中国語の教師となった瞳みのるは『ロング・グッバイのあとで』(2011年、集英社)で次のように書いています。「以前はもっぱら外国人に対して使われ、多少よそよそしいニュアンスがあったが、都市の知識人、ハイソな連中が外国人風に自分たちの間でも使うようになってから、それをまねる人が増え、今では一般に普及している」(p.83)。

 言葉は実際どのように使われるか、いろいろな状況を知ると面白いですね。中途半端な知識で、間違いながら外国語を使ってきました。国際文化・観光学科では英語と中国語が必須です。学生の皆さんには、自分で言葉を使ってみて、反応を直に確かめながら外国語を自分のものにして欲しいと思います。

(注)1967年にレコードデビューし1971年まで活動したグループ・サウンズ

教授 城 由紀子
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by bwukokusai | 2013-08-20 09:00 | 教員コラム

サンノゼ州立大学での学会発表

昨年末にアプライしていたペイパーの審査を通過したため、今年の初夏にサンノゼ州立大学まで行って、2013 Steinbeck Conference における学会発表をおこなって来ました。

当大学には、Martin Luther King Jr. Library (通称MLK)という5階まで吹き抜けの空間が楽しめる図書館があり、4階までの座席では、ラップトップ(PC)を前に本を傍らに置いた学生達が、朝8時から夜の9時まで勉強しています。5階には、スタインベック・センターとベートーベンの資料室があり、ここの会議室に英語圏はもとより、トレドやスロベニア、インドや中国など世界各国から訪れたスタインベック研究者達が集い、発表とディスカッションを繰り広げました。ニューヨークのモーガン・アーカイブに収められている作家の手書き資料に基づく発表や、スタインベックの考えた phalanx(方陣) 理論 とインド哲学の比較など、とても刺激を受ける内容のものが多くありました。


Martin Luther King Jr. Library

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スタインベック・センター
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私がメソジスト系クリスチャンであるアメリカ人の先生と発表したペイパーは、なぜ「アメリカの良心」とまで呼ばれたスタインベックの作品の中に、あんなにもviolence を生々しく描写した文章が多いのかという疑問に始まって書いたものでした。“Snake” のような作品については、neuroscientists (神経科学者)による分析などもからめて発表しました。

サンノゼは静かなこじんまりとした学園都市で、泊まったホテルは大学から徒歩で10分程度のところでしたから、朝から晩までほとんどMLKにいました。ちなみに、アメリカでconference というと、朝一番の発表前にはさまざまなペイストリーやフルーツとともにコーヒーが用意されている、といった雰囲気です。今回は、昼もスタインベック・センター内で談笑しながらビュッフェ・ランチということで、食べ物には事欠かないものの、その場に缶詰にされるので、夕食時だけが唯一の息抜きでした。夕飯のあとにも新進作家によるリーディングがあるから戻って来てほしいなどと言われるので、大学のすぐ近くに簡単に食べられるカフェが何軒もあるのは有難かったです。snow ice という名前のデザートの写真を載せておきます。(私が選んだのはhoneydew melon 味のため、緑色でした。)
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教員生活は、自分でよほど努力しないかぎりはアウトプットに偏りがちになるので、書籍を読み他の研究者の見解に触れ、新たなインプットにより脳のバランスを保つことが必要です。インプットの時間を生み出すには大変苦労が多い(今回の帰国時も、朝の4時半に空港に着いて、その日の午前から授業や会議等をこなすというスケジュール)のですが、それを怠らないことによって、学生に教えるというアウトプットの行為がより生き生きとしたものになるのです。

教授 久保田 文
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by bwukokusai | 2013-08-06 09:00 | 教員コラム