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文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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若者にとっての海外旅行

 皆さんは、冬休みをどこで、どう過ごしますか?
 帰省したり、旅行に出かけたり、この時期は、国内外で人の移動が活発になります。JTBが発表した年末年始の旅行動向によると、国内海外をあわせた総旅行人数が3000万人となり、これは6年ぶりの高水準とのことです。
 年末だけにとどまらず、今年は旅行、とりわけ海外旅行が盛んな一年になるようです。先日、2012年の海外旅行者数が1850万人に達し、過去最高を更新することが報じられました(日本経済新聞12月19日)。これまで最高だった年は2000年の1781万人です。それ以後、10年ほどは1600~1700万人台の横ばい状態がつづき、なかなか1800万人の壁を越えることはできませんでした。1990年の日本人の海外旅行者数は、1100万人でしたから、海外旅行者数がどんどん伸びた90年代、頭打ちで横ばいの2000年代という構図がはっきりしています。2013年以降はこのまま上向きになるのでしょうか。それとも、横ばいがつづくのでしょうか。
 前述の日経新聞では、今年の堅調の理由を、団塊の世代を中心としたシニア層の旅行需要が牽引し、さらに、円高の影響で、若年層の旅行者も増えたためと分析しています。「海外旅行ばなれ」が、指摘される若年層の動向が、今後を左右するのではと思います。若年者の旅行に関する意識について、JTB総合研究所が調査結果を報告しています(JTB総合研究所「若者の生活と旅行意識調査」)。
 この調査では、若年層を19~25歳の「ゆとり世代」と26歳~33歳の「プレゆとり世代」に分けて分析しています。今後1、2年の間の海外旅行に関して聞いた質問では、ゆとり世代もプレゆとり世代も、約6割前後が前向きな回答(「既に計画がある」「行きたいが、まだ計画はない」「行きたいが、行けないと思う」の合計)を示していますが、一方で、ゆとり世代の24%が、プレゆとり世代の19%が「行きたくない」と回答しています。海外旅行に行けない・行きにくい主な理由としては、「経済的な余裕がない」がゆとり世代で59%、プレゆとり世代で56%でともに第1位です。今年は、円高の影響やLCCの登場でお財布にやさしい海外旅行が可能となり、この層の若者を誘引したと考えられるでしょう。理由の2位にくるのが、プレゆとり世代では「仕事が忙しくて休みが取れない」が31%。これは良く聞く理由です。が、ゆとり世代の2位は、「語学ができないので不安」が25%近くを占め、ついで「治安などの現地の情勢が不安」も24%です。海外=不安と捉えている若者が多いことが浮かびあがります。
 不安、心配だから「行かない」のでなく、不安や心配はあるけど「行ってみたい」と考える若者を増やすにはどうしたら良いのでしょうか。冬休みにじっくり考えてみたいと思います。

本年のブログ更新はこれで最後になります。皆様、良い年をお迎えください。来年もどうぞ宜しくお願いいたします。

参考:JTB総合研究所 「若者の生活と旅行意識調査」(2012.12.19閲覧)
 http://www.tourism.jp/wp/wp-content/uploads/2012/12/research_121212_youth.pdf

                                                助教 栗山丈弘
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by bwukokusai | 2012-12-25 10:08 | 教員コラム

コリー・テンボーム博物館

 日本風に言うならばおよそ14畳ほどであろうか、それほど広くはないリビングルームに12,3人の来館者が通された。

 「町の広場を歩こうとしても、一歩一歩をうかがう者がある。終りの時が近づき、私たちの日は満ちる。まさに、終りの時が来たのだ。」

 そのリビングの壁に、『旧約聖書』(イスラエルの民にとっては『タナッハ』)「哀歌」第4歌18節が掲げられていた。この1節は全ユダヤの歴史を表すとともに、また同時にナチスの探索を逃れ、ここに息を潜め隠れ住んでいたユダヤ人家族の心境を表すものでもある。追手が今にもこの隠れ家を暴き出し、自分たちを引き出し、収容所に送り込もうとしている。神の義が実現される「その日」「終わりの時」、終末の時は、この世のすべての罪が暴き出され、悪が罰せられる時でもある。その終末はユダヤの神ヤハヴェを信じるユダヤ人にとっては待望のメシアが到来し、「正義と恵みの業」が実現する、「剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことをしない」、喜びの時でもあるはずだ(『旧約聖書』「イザヤ書」9・6、2・3-4)。しかし、その時とは、個人や家族・民族の苦難を通過した後にのみ望まれるものである。

 コリー・テンボーム博物館はユダヤ人をかくまっていた当時のまま保存されていた。来館者全員がソファーに座ったことを確認した後、ガイドの女性が参加者に自己紹介をするように求めた。フランス、スウェーデン、デンマーク、スペイン、そして日本からの見学者たちであった。英語とドイツ語で彼女は丁寧にこの博物館の由来と意義とを語ってくれた。この家に隠れていた家族は、自分たちがナチスに発見され、絶滅収容所に送られ、殺害される時が近づいていることを予期していた。そのような絶望と、その先にしか望みえない希望とが同時に歌われている。19節には次のように歌われている。

「私たちに追い迫る者は、空を飛ぶ鷲よりも速く、山々に私たちを追い回し、荒れ野に待ち伏せる。」

 どれほど逃げてもどこに逃げ隠れても、圧倒的な力を持つ敵はどこまでも追いかけて来、命を奪う。ソロモン王の築いた第2神殿が新バビロニアにより破壊された(紀元前587年)直後に歌われたこの哀歌が、2500年の時を隔て、ハーレムの隠れ家で哀しくも嘆き歌われたのであった。イスラエルの民は民族の苦難を忘れないために、このエルサレム神殿崩壊の日とされる、ユダヤ暦アブの月(グレゴリオ暦7月から8月)9日「嘆きの集い」にこの「哀歌」を繰り返し歌ってきた。しかし同時に、この歌を、彼らは、過去の出来事ではなく、今まさに自らに降りかかって来ている苦難として歌うのであった。

 このコリー・テンボーム博物館はアムステルダムから電車で20分足らずのハーレムにある。アムステルダムは実に猥雑な街である。およそ、池袋と新宿と渋谷、そして銀座とが住宅街を間におかずに連なっているかのような街である。観光客に溢れかえり、路上にはたばこの吸い殻とゴミとが散乱している。売春は合法化され、EU各国から「仕事」を求め移動してくる多くの女性たちで街は溢れている。マリファナは街中のコーヒーショップ(喫茶店ではない)で販売されている。同性婚も許容され、無神論を大ぴらに語ることに、何ら心的抑圧を受けない街である。 
(以下2013年5月21日掲載予定)


教授 木村 清次

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by bwukokusai | 2012-12-18 11:10 | 教員コラム

Christmas Memories


Christmas has always been a special holiday for me and is full of pleasant memories from my childhood. When I was young, my family lived on a farm. So a few weeks before Christmas, my father, my brother and I would go out to the woods and cut down a small pine tree to use as our Christmas tree. I can still remember walking the woods with my father, taking our time, carefully choosing the nicest tree, cutting it down and bringing it back to the house. Also I remember the wonderful smell of the pine tree filling the house. Decorating the tree was also a family event. We spent hours putting lights and decorations on the tree, before finally placing the angel on top and a small nativity scene under the tree. And of course, my mother would have fresh baked cookies for us to eat and eggnog to drink as we worked. The Christmas tree is at the center of my best memories of the season because to me it is a reminder of those enjoyable times with family. Since I now live in Japan with my wife and children, it is impractical to have a fresh cut tree in our home, but we still have made decorating the tree an annual family event. In this way, I hope that I can pass along the traditions and pleasant memories of Christmas to my children.
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教授 チャールズ ヒューベンソール

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by bwukokusai | 2012-12-11 10:10 | 教員コラム

手こずるイギリス英語のリスニング

 かなり英語に慣れた人でも、イギリス英語は聞き取りにくいと言います。やはり一般的に使われているのは、圧倒的にアメリカ英語が多いからでしょう。しかし、ちょっとCNN放送(アメリカ)などを聞いてみると、驚くことに半分近くはイギリス人レポーターが報道しています。ということは、イギリス英語に慣れないと、ニュースが聞けないということになります。
 イギリス英語に慣れるということは、これがまた全く簡単なことではありません。イギリス英語は地域ごとに妙な方言があり、それに加えて階級差のある発音、出身校の違いによる発音と、様々な要素が積みあがっています。私の経験上、イギリス人一人ひとりが違った英語を話しているように聞こえます。たいへん外国人泣かせの言語です。
 イギリス英語の難しさで代表的な例をいくつか挙げましょう。まず、第一の難関は、地域によって使う単語が違うこと。これは関東で「さようなら」、関西で「ほな、さいなら」のように日本語にもあります。一般的にイングランドで使われている「さようなら」の定番はcheers(チアーズ)ですが、スコットランドではcheerio(チェイリオウ、あるいはチェリオ~と発音する地域もあります。主に年配者が使っていますが)、アメリカではSee youになり、このアメリカ版が日本人学生が習う定番の言い方です。
 次に米英の違いで代表的なものを挙げます。エレベーターは米のelevatorが英ではliftに、1階はfirst  floorがground floorに、地下鉄はsubwayがundergroundに代わります。リフトと言えば、日本人はスキーリフトを思い浮かべますし、イギリス人とデパートのfirst floorで待ち合わせても、一生会えないということになります(first floorはイギリスでは2階です)。ややこしいのはsubwayで、イギリスにもsubwayという標識があって、「地下鉄だ」と思って降りていくと、道の向こう側に出ちゃった、ということになります(subwayはイギリスでは地下道です)。また、イギリスの標識で“Q Here”というのを見かけますが、これが「ここに並べ」という意味であるとわかる日本人学生がどれだけいるでしょうか。ちなみに、Qとはqueueという単語の音を表したもので、イギリス英語で「並ぶ」という意味です。アメリカ英語ではlineを使います。
 このような言葉の違いは、知らなければ聞き取れません。私は、リスニングの最も大切な要素は語彙だと考えています。イギリス国内での言葉の違いはともかく、まず第一の難関である米英の言葉の違いを攻略するためには、イギリス人の書いた文章をたくさん読み、使う言葉を覚えること、この一点です。もっと楽に覚えたい人は、米英の英語の違いについての参考書は山ほど出版されていますので、ご利用ください。
 私の次回のコラムでは、第二の難関「イギリス人は語尾を発音しない」について書きます。(つづきは2013年4月下旬の予定。)

教授 白井 菜穂子

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by bwukokusai | 2012-12-04 10:00 | 教員コラム