文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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2014年 12月 30日 ( 1 )

75th Anniversary Grapes of Wrath Celebration

 先月、ジョン・スタインベック作「怒りの葡萄」の75周年を記念する大会で発表するために、カリフォルニア州立大学ベイカーズフィールド校(CSUB)に赴きました。学会は、写真のような雰囲気でした。一般の人達の席は後ろにたくさんありますが、プレゼンター達は自分の番まで、ゆったりとしたアームチェアでリラックスしていられるのが心地よかったです。写真のプレゼンターは、スタインベック研究におけるアイコン的な存在であるスーザン・シリングロー。発表の素晴らしさは言うに及ばず、一年半前に一度だけ少し話した私にも、懐かしげに声をかけてきてくれるようなやさしい女性です。
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 大会は “interdisciplinary (2つ以上の学問分野にまたがる、学際的な)”と言われるタイプのもので、歴史学や音楽の角度から作品に焦点をあてたものもあり、文学を深く探究する学会とは違った意味で刺激的でした。私の発表は、海外におけるスタインベックのレガシーという形で、大会スケジュールに組み込まれました。スタインベックの自然観と日本人が重んずる「和」の共通性などにもふれたため、アジア学の教授などからいろいろと質問が出て、「和敬清寂」等についても説明しました。彼らの目の輝きに、日本文化への敬意をうかがい知ることができたのも、今回の喜びの一つでした。
 75周年を祝って、キャンパス内の木やベンチに、(アート系の先生と学生が焼いた)セラミック・ブックスが、所々に吊るされたり置かれたりしていました。作品におけるキー・ワードを連想させる言葉や絵が示されたものです。研究者仲間のスウェーデン人と一緒に休憩時間を使って謎解きを試みましたが、タイムアウトでした。でも、金銭よりも知性を生かした粋な試みが、大学らしくて好感を持ちました。
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 3日間朝から晩まで学内に缶詰の学者達を慰問 するために、「怒りの葡萄」の時代にも大きく関連するカントリー・ミュージックと、子供達からの歌のプレゼントもありました。
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 学内でのディナータイムに出されたビールです。Grapes of Wrath を捩った命名がしゃれていますね。黒ビールに近い感じの、それでいて飲み易い味でした。

 アメリカ文学の研究においても文献学的な部分は多く、研究だけにあてられる何か月もの時間を使って気軽に多くの資料館を訪れることができる在アメリカ研究者達と、同じ切り口で研究していくのは至難の業です。日本人の精神的風土にも、しっくりと馴染むスタインベック文学、両者を洞察しながら、日本人の特質をも探っていきたいと考えるようになったこの頃です。

教授 久保田 文
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by bwukokusai | 2014-12-30 09:00 | 教員コラム