文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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2014年 07月 08日 ( 1 )

新聞・紙かスマホか

 学生たちの情報通信手段が携帯からスマートフォン(以下スマホ)に替わりだしたのはいつ頃からだろうか。最近の中・高校生は初めからスマホ・デビューを果たすという。

 総務省が6月末に発表した『平成25年通信利用動向調査』によれば、平成25年末全国「20歳以上の世帯主がいる世帯」15、600世帯の主な情報通信機器の普及状況は、携帯電話94.8%(うちスマホ62.6%)、パソコン81.7%、タブレット端末21.9%であった。なかでもスマホは統計を取り始めた22年末の9.7%以降、年々急速な普及傾向を示している。
 インターネット利用率を端末別に見ると、スマホ・タブレット型端末によるネット利用は24年末の39.3%から54.8%へと急増、とくに20~29歳代のスマホによるネット利用は83.3%と、2位の自宅パソコンを10%ポイントも引き離している。
 20~29歳の若者たちはネットをどのような目的で使うのだろうか。同調査によれば、第1位は「電子メールの送受信」(76.0%)、以下「商品・サービスの購入・取引」(69.4%、うちデジタルコンテンツの購入取引は45.0%)、「ソーシャルメディアの利用」(65.5%)、「動画投稿・共有サイトの利用」(63.9%)の順である。つまりスマホに費やす時間の大半は、「従来からの知人とのコミュニケーション」、「デジタルコンテンツを含む商品・サービスの購入」とその利用、「動画投稿・共有サイトの利用」に使われているのである。ちなみにニュースサイトの利用は40.6%、辞書・辞典サイトの利用は26.3%、電子書籍の購入に至っては2.8%しか行っていない。
 
 若い人々の新聞離れ現象が取りざたされて久しい。それを食い止めるためには利用習慣を高めること(=新聞を扱った教育の導入)、さらにスマホ・ネットなど若者層に浸透しているメディアと新聞との連携(=WEB版の浸透)が有効だと考えられる(三上俊治『メディアコミュニケーション学への招待』学文社、2004)。紙媒体には「一覧性」「保存性」「情報の詳細性」などの特徴があり、ウェブ媒体は「速報性」および「データベース検索機能」「双方向機能」などの情報機能を備えているからである。
 筆者の担当する「コーポレートブランド論」(3年生)では、毎年講義と並行して学生たちに『日経MJ新聞』から消費関連テーマを選択させ、簡単な企業研究とコメントを発表させている。本年度は試みに『日経MJ』と『東洋経済オンライン』(20代~30代のビジネス・パーソンをターゲットに現在PV数NO.1を誇るビジネス誌系サイト、無料)の両方を1度ずつ体験・発表させ、それぞれの長所・短所、および3回目の発表ではどちらを選択するかを述べさせた。
 結果は出席者10名中紙媒体派7名、ウェブ媒体派3名であった。紙派は、長所として「読みやすい」「ネットでは見つけられない内容を自分で新たに発見できる」「広告の席(紙面上の位置:筆者注)が決まっていて読むとき気にならない」、短所として「幅をとる」「探したい記事があっても一つ一つ見ていかなければならない」をあげ、ウェブの短所として「目がちかちかする」「スマホは画面が小さくて読む気が失せる」をあげている。ウェブ派は、長所として「検索機能がある」「関連ニュースが読める」「ニュース速度が速い」「どこでも読める」「無料」「こちらの意見も(SNSなどに:筆者注)投稿できる」をあげている。短所としてはウェブ派でただ一人、その双方向性ゆえに「お互いを監視し合うような世界を作り出す」可能性があることを危惧していた点が印象に残った。

 学生たちには紙・ウェブそれぞれの長所短所を理解した上で、新聞・ビジネス雑誌に少しずつ親しんでいってほしいものである。それは必ず就職活動、およびその延長線上にある社会人生活の中で役立つのだから。

教授 三島 万里
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by bwukokusai | 2014-07-08 09:00 | 学生コラム