文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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2013年 10月 01日 ( 1 )

東京五輪を喜ぶもう一つの理由

 9月7日のIOC総会で2020年夏期オリンピック・パラリンピックの開催都市として東京が選ばれ日本中が歓喜に沸いた。私も早朝、布団を抜け出して決定の瞬間をテレビで見ていた。ロゲ会長が「TOKYO」と発表したとき、思わずガッツポーズをした。

 前回の東京五輪の時も、札幌の冬季五輪の時も生まれていなかった。札幌五輪から5年後に、その札幌で生まれた私の記憶に鮮明なのは、98年の長野五輪で、ジャンプの日の丸飛行隊やモーグルの里谷多英選手など同郷出身が活躍する姿だった。今度は、テレビの画面を通してではなく、生で競技を見られたり、ボランティアといった形で大会に関われるかも知れない。そう思うとワクワクする。

 7年後の東京五輪を喜ぶ理由のもう一つは、そのコンセプトだ。晴海に建設される選手村から半径8キロメートル圏内に会場の8割を配置するという。そして1964年東京五輪の施設を継承する「ヘリテッジ(遺産)ゾーン」と、湾岸地区の「東京ベイゾーン」に区分して、新旧の融合を図るという。開催決定後、五輪特需を期待する声が寄せられ、ついには、カジノ構想も現実味を帯びてきた。都心エリアや湾岸エリアの景観は、ますます変わっていくだろう。

 一方で、多摩エリアに目を向けると、五輪で景観が変わることはあまりないだろう(多摩エリアで開催されるのは、自転車のロードレースと近代五種くらい)。それを嘆く人もいるかもしれない。一昔前の発想なら「均衡ある発展」などと言って、無駄に競技会場などを分散させたことだろう。でも私は、都心や湾岸エリアはどんどん変わってほしいし、一方で多摩エリアは、変わってほしくないのだ。クールで最先端を行く都心、湾岸エリア、スローでゆったりした多摩エリアというコントラストがより鮮明になることを期待している。都心や湾岸エリアにはないのんびりした雰囲気を継承していくことが、多摩エリアの価値を高めることに繋がると考えるからだ。大学や自宅のある小平市が7年後にも今と変わらずにあってほしい。

准教授 栗山丈弘
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by bwukokusai | 2013-10-01 09:00 | 教員コラム