文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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2012年 12月 04日 ( 1 )

手こずるイギリス英語のリスニング

 かなり英語に慣れた人でも、イギリス英語は聞き取りにくいと言います。やはり一般的に使われているのは、圧倒的にアメリカ英語が多いからでしょう。しかし、ちょっとCNN放送(アメリカ)などを聞いてみると、驚くことに半分近くはイギリス人レポーターが報道しています。ということは、イギリス英語に慣れないと、ニュースが聞けないということになります。
 イギリス英語に慣れるということは、これがまた全く簡単なことではありません。イギリス英語は地域ごとに妙な方言があり、それに加えて階級差のある発音、出身校の違いによる発音と、様々な要素が積みあがっています。私の経験上、イギリス人一人ひとりが違った英語を話しているように聞こえます。たいへん外国人泣かせの言語です。
 イギリス英語の難しさで代表的な例をいくつか挙げましょう。まず、第一の難関は、地域によって使う単語が違うこと。これは関東で「さようなら」、関西で「ほな、さいなら」のように日本語にもあります。一般的にイングランドで使われている「さようなら」の定番はcheers(チアーズ)ですが、スコットランドではcheerio(チェイリオウ、あるいはチェリオ~と発音する地域もあります。主に年配者が使っていますが)、アメリカではSee youになり、このアメリカ版が日本人学生が習う定番の言い方です。
 次に米英の違いで代表的なものを挙げます。エレベーターは米のelevatorが英ではliftに、1階はfirst  floorがground floorに、地下鉄はsubwayがundergroundに代わります。リフトと言えば、日本人はスキーリフトを思い浮かべますし、イギリス人とデパートのfirst floorで待ち合わせても、一生会えないということになります(first floorはイギリスでは2階です)。ややこしいのはsubwayで、イギリスにもsubwayという標識があって、「地下鉄だ」と思って降りていくと、道の向こう側に出ちゃった、ということになります(subwayはイギリスでは地下道です)。また、イギリスの標識で“Q Here”というのを見かけますが、これが「ここに並べ」という意味であるとわかる日本人学生がどれだけいるでしょうか。ちなみに、Qとはqueueという単語の音を表したもので、イギリス英語で「並ぶ」という意味です。アメリカ英語ではlineを使います。
 このような言葉の違いは、知らなければ聞き取れません。私は、リスニングの最も大切な要素は語彙だと考えています。イギリス国内での言葉の違いはともかく、まず第一の難関である米英の言葉の違いを攻略するためには、イギリス人の書いた文章をたくさん読み、使う言葉を覚えること、この一点です。もっと楽に覚えたい人は、米英の英語の違いについての参考書は山ほど出版されていますので、ご利用ください。
 私の次回のコラムでは、第二の難関「イギリス人は語尾を発音しない」について書きます。(つづきは2013年4月下旬の予定。)

教授 白井 菜穂子

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by bwukokusai | 2012-12-04 10:00 | 教員コラム