文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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2012年 11月 06日 ( 1 )

ハロウィーン(Halloween)


ハロウィーンが終わって1週間が経とうとしているが、近年10月になると至る所にハロウィーンカボチャなどが見られる。今回はハロウィーンの起源について触れてみたい。

ハロウィーンは10月31日の夜に行われる古代ケルト人のサムハイン祭(Samhain)が起源といわれている。 古代ケルト人の1年の終わりは10月31日で新年は11月1日と定められていて、それは太陽の季節の終わりと寒い暗闇の季節の到来を意味した。そして、この時期に霊たちがこの世に一番近づく時期だと信じられていた。 10月31日の夜に死者の霊が家族の元へ戻り、さらに悪霊もこの世に降りてきて作物を荒らしたりすると信じられていた。そこで、この夜にケルト人の宗教であるドルイド教の司祭たちが聖なる樫の木の森に集まり、火を焚いて祈りを捧げた。朝になるとこの火の残り火がそれぞれの家に分け与えられた。この火は悪霊から人々を守り、寒い季節に家を暖かく保った。

紀元1世紀ごろケルト人はブリテン島に侵入してきたローマ人の支配下におかれた。10月31日あたりはこのローマ人にとっては収穫祭の時期であった。ローマ人は収穫を祝うために、この時期に収穫されたリンゴや木の実を果実の女神ポモナ(Pomona)に捧げた。

その後キリスト教の普及にともない、ケルト人のサムハイン祭やローマ人の収穫祭がキリスト教に取り込まれ、諸聖人の祝日である11月1日の万聖節(All Hallow)の前夜祭として位置づけられるようになった。 つまり、10月31日のサムハイン祭と収穫祭が万聖節の前夜祭 (All Hallows Eve) となった。その後、万聖節前夜祭を表すAll Hallows Eveが短縮されてHalloweenとなった。hallowとはアングロ・サクソン語で聖人 (saint) を意味する。

19世紀になるとアイルランドからの移民がこのハロウィーンをアメリカに持ち込んだ。カボチャの中身をくりぬいて中にロウソクを立てるジャコランタン(Jack-o’-lantern) は元々アイルランド等では大きなカブ (turnip) やジャガイモなどが使われていた。しかしこの時期にアメリカではカボチャがよく収穫されるために、カボチャが使われるようになった。

仮装やトリック・オア・トリート(Trick or Treat) は日本でもよく知られているハロウィーンの習慣だが、その他の習慣としてアイルランドなどでは占いをして遊ぶ事が多い。なぜならハロウィーンの時に霊たちがこの世に近づくので、我々の未来を霊たちが教えてくれるからだそうだ。例えば、リンゴやカルカノン (callcannon) と言う食べ物などを使って占いをする。 また、収穫祭の時期でもあるので、リンゴを使った遊びも多い。例えば、リンゴを水に浮かせて口でくわえて取るアップル・ボビング(Apple Bobbing)というゲームなどがそうである。ちなみにフランス語のpomme (リンゴ) は女神ポモナが語源である。

以上ハロウィーンの歴史を簡単にたどってみた。ケルト人のサムハイン祭、ローマ人の収穫祭そしてキリスト教が、宗教や文化を超えて融合したのがハロウィーンである。現代では本来の宗教的な意味合いはほとんど消えてしまっており、特にアメリカでは民間行事としてとらえられている。日本ではアメリカの大衆文化として一部受容されているようだが、起源をたどればケルトにまでさかのぼるのだ。

教授  石田 名都子

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by bwukokusai | 2012-11-06 10:30 | 教員コラム