文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

bwukokusai.exblog.jp
ブログトップ

2011年 12月 13日 ( 1 )

読書の秋より読書の冬

“読書の秋”を象徴するイベント読書週間が、毎年10月27日から11月9日に開催されることからも(本ブログ「スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋」2010.11.09.参照)、読書に適した季節は秋という事になっていますが、個人的な経験では読書に本当に向いているのは秋より冬ではないかと思います。

子供の頃に岡山県の山里の農家に育ったので、秋は収穫の季節で子供ながら家の手伝いに忙しくも慌ただしくもあり、読書には向いていなかった記憶があります。特に、私の通った小・中学校は純農村地帯にあり、昭和30年代でも一週間の田植え休みがあったほどです(今でも、その小学校は周囲に家が一軒も無く、田んぼの中にポツンとあります)。ましてや、稲作の最終工程である秋の稲刈り(しかも手作業!)から脱穀、籾摺りまでは農家にとっては一家をあげての総力戦で、小中学生といえども、大切な労働力として期待され動員されました。秋の日は釣瓶落しと言いますが、日に日に早くなる日没時間に急き立てられるように、忙しなく働いた(働かされた)記憶があります。その結果、疲れ果てて秋の夜長に読書を楽しむゆとりはありませんでした。

それに引き替え冬は農閑期なので、木こり・炭焼きなどの山仕事はあるものの、麦踏みなどを除けば農作業の手伝いは少なくなります。それに、山仕事は稲作などの農作業と比べ単調な繰り返し作業が少ない印象があります。山仕事の主な対象は植林地ではなく、地域共有の入会地(「野山」と呼んでいた)で、気ままに育った樹木の伐採でした。特に、大木が風を切って大音響をたてて倒れる瞬間には爽快感を感じたものです。もちろん、肉体的な疲れはありますが、農作業によるくたくたになるほどの疲労は感じませんでした。そのおかげで、家の手伝いが無い休日や夜になると、外は寒くとも暖かな炬燵に潜り込んでミカンを食べながら本を読むという、最適なシチュエーションで読書を楽しむことができました。おまけに、雪でも降ろうものなら、静かな山里にあっても夜は一段と静まり返り、いくらでも本を読むことに集中できたものです。また、中学1年生の時はいわゆる三八豪雪(昭和38年1月豪雪)の年に当たり、特に雪が多く降りました。しんしんと降り積もる雪の厚さと、読み進む本の厚さを重ね合わせたものです。
そんな原体験から、個人的には読書の秋より読書の冬と思っていますが、皆さんはどう思われますか。

関東地方のこの冬は、気象庁の3か月予報によると、12月は平年並みか高めの気温が、1月2月は次第に低目になるとのことです。雪が降れば読書に集中できるのですが、今年の冬はどうなるでしょうか?

                                                     教授 瀬島健二郎 

文化学園大学 現代文化学部 国際文化学科のHPはこちら
[PR]
by bwukokusai | 2011-12-13 10:33 | 教員コラム