文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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2011年 11月 08日 ( 1 )

語学力より思考力!

10月21日の朝日新聞特派員メモに「英語を強制 おごるなかれ」という記事が載りました。今年のノーベル平和賞を受賞した人権活動家タワックル・カルマンさんの記者会見が国連本部前で行われた時のことです。母国イエメンの人々を励ます意味でアラビア語で話したところ、「英語で話さないと放送できない」とつめよる米放送局の記者たちを見て、この記事を書いた記者が失礼な態度だと言うと、彼らから、「英語は世界共通語だ」と猛反発を受けたというのです。この記者は、米国人記者の「自分たちが世界標準」というおごりを感じると語っていました。

英語が世界共通語となっているのは、今ではどこの国でも学校で習う外国語だからであり、
外国人同士の意志の疎通をするためには、英語が一番「便利」だというだけです。英語が母国語であるだけでリーダー的存在になるのは、明らかに理不尽なことです。

英語関連の職に就いている人々の中でも賛否両論ありますが、「英語を上手に話す者が、常に優位に立ってはならない」という考えがあります。私もその一人です。英語が堪能であると、仕事ができるように見えるのは錯覚です。長年、学生の就職活動に関わり、企業側がTOEIC900点以上の学生を採用しながら、「失敗」したという話を聞きます。英語は堪能でも、結局、海外での営業ができないということです。なぜでしょうか。相手が話の内容に興味を示さないからです。(もちろん、商品が悪かったという可能性もありますが。)会話をする上で言語能力よりも大事なことは、オリジナルな考えを持ち、相手の興味を引くことです。他人とは違う魅力を自分の中に育てることです。

英語教育に携わる人間として乱暴なことを言いますが、日本人がりっぱな英語で話すことは必要ありません。英語ができるから優秀な人間であるとは限らないからです。自分の考えが伝えられる程度の基本的英語力があれば十分です。日本における英語教育は、独創的な思考力があって初めて、英語を使う意味があるという段階に入らないと、本当の意味での優秀な人材を育てられないのではないでしょうか。

                                                  教授 白井 菜穂子

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by bwukokusai | 2011-11-08 04:11 | 教員コラム