文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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甘い? 苦い? チョコレートのお話

ここ数日で、コンビニやデパートでは、きれいにラッピングされたチョコレートが陳列されるようになりました。2月14日を前に、毎年恒例のバレンタイン商戦がスタートしたのですね。なんと、この時期に日本の1年間のチョコレート消費量の2割ほどが売り上げられるのだそうです。ところで、このバレンタインデーの由来をご存知ですか?

3世紀、古代ローマでは兵士の士気が下がるという理由で若い兵士の結婚が禁止されていました。それを哀れに思ったキリスト教の司祭バレンタインは、密かに兵士たちを結婚させましたが、捕らえられ、処刑されてしまったのです。後に、彼が殉教した2月14日を「聖バレンタインの日」とし、男女が愛を告白したり、贈り物をするようになったというのが通説です。

日本では、女性から男性に愛情の告白をし、チョコレートを贈るという特徴があります。欧米では、チョコレートに限定されているわけでも、女性から男性へと一方的なものでもないのです。もっとも、日本では、最近は友だち同士でチョコレートをプレゼントしあう「友チョコ」が流行なのだとか。文化や習慣が伝わっていく過程でどんどん変わっていくことを「アカルチュレーション」と呼びますが、バレンタインデーは、その事例として興味深いものがあります。

ところで、チョコレートの原料であるカカオ豆は、南米や西アフリカなどで栽培されています。カカオ豆は、どんな風に生産されているか想像したことがありますか? キャロル・オフの著した『チョコレートの真実』(英知出版)には、世界一のカカオ豆輸出国である西アフリカ、コートジボワールのカカオ農園の様子が克明に記されています。隣国のマリなどから人身売買で連れられてきた子どもたちが、奴隷状態で働かされているというのです。このような児童労働を知るには『わたし8歳、カカオ畑で働きつづけて』(合同出版)も入門書としてオススメです。

バレンタインデーに幸せの象徴のように食べられる甘~いチョコレートには、苦く哀しい現実が潜んでいるのです。グローバル化した現代では、遠く離れた人々ともつながっています。そんな人々のことも想像し、身近に感じられる力を持ちたいものです。そうすれば、いつかチョコレートを食べる人々も、カカオをつくる人々も、ともに幸せになれる日がくるでしょう。

                                                        助教 栗山 丈弘
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by bwukokusai | 2010-01-26 12:30 | 教員コラム