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文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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アメリカの選挙

今月の4日に投開票されたアメリカの中間選挙で、野党である共和党が議会の上下両院で過半数を獲得しました。したがって、民主党のオバマ政権には、今後厳しい政治運営が求められことでしょう。今回は、アメリカ合衆国で実施される連邦レベルの選挙についてお話しします。

大統領選挙は4年ごとのうるう年に行われ、各政党が指名した大統領候補・副大統領候補は「二人1セット」で出馬します。また、連邦議会選挙は毎偶数年に実施され、任期6年の上院議員は三分の一ずつ、任期2年の下院議員はそのつど全議席が改選されます。大統領選挙のない選挙年(つまり、今年のようなうるう年ではない偶数年)に行われる連邦議会選挙は、「中間選挙」と呼ばれています。新しい大統領が選出されるわけではないのに、アメリカはもとより各国のメディアも、大きなニュースとして扱っていましたよね。特に、今回のように大統領の政党と議会多数派の政党が異なる場合は、何か大問題が発生したかのように報じられることが多いようです。なぜでしょう?

理由はひとつではないと思いますが、最も大きな要因は、アメリカ大統領制の特徴に由来するものです。行政府がどのような政策を実施する場合でも、その正当性を示すための法的裏づけあるいはそれに匹敵する承認、ならびに予算が必要になりますが、三権分立原則を厳密に導入するアメリカでは、行政の長である大統領であっても、立法や予算の承認といった議会の権限にむやみに立ち入ることはできません。ですから、大統領と議会多数派の政党が異なる場合、大統領のすすめたい政策に対して、たとえば関連法案を否決するなどして議会が歯止めをかける可能性が高くなるのです。具体的には、民主党政権が実現させたい福祉の充実や銃規制といった政策の実現は、共和党と大幅に歩み寄らない限り、困難であると思われます。また、「強い大統領」を望む者が多い共和党が上下両院で過半数を超えたことで、ウクライナ危機や過激派組織「イスラム国」などに対するアメリカの対応が大きく変わることも予想できます。

ついでの話ですが、中間選挙も大統領選挙も「11月の第一月曜日の翌日の火曜日」に実施されています。少しややこしいこの日程に決まった理由は、1)収穫を終え、本格的な冬を迎える前の11月上旬を選んだ、2)キリスト教の安息日である日曜日を避けた、3)交通の便が悪い場所では投票の前日から移動を開始しなければならなかったので、月曜日を避けた、などの事情から投票日が決められたようです。アメリカが伝統的に農業国でもあり、キリスト教文化が浸透した社会であることを改めて確認できます。

教授 中沢 志保
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by bwukokusai | 2014-11-18 09:00 | 教員コラム