文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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東京五輪トレーニングセンター誘致と横須賀再開発

 文化祭振替休日の一日、神奈川県環境影響評価審査会(以下環境アセス)の仕事で、神奈川県横須賀市を訪れました(環境アセスの趣旨・手続きについては2012年1月3日付の本コラムをお読みください)。
 今回の訪問の目的は、横須賀市が2020年開催の東京オリンピックに向け、ナショナルトレーニングセンター(以下NTC))の拡充施設誘致を目指している事業地の現地調査です。NTCとは、国内トップレベル競技者の国際的競技力向上を図るトレーニング施設として、2008年東京北区に開設されたもので、その後のロンドンオリンピックでの日本のメダル獲得数を史上最多とすることにおおいに貢献したとされています。しかし現在のNTCは屋内競技が中心で、それ以外の屋外競技、水上競技をカバーしていないため、その面での拡充・整備が求められています。横須賀市は、スポーツを通じて地域の活性化を目指すとして、この拡充施設の誘致に取り組んでいます(誘致委員会パンフレット(http://www.yokosukacci.com/news/2014/07/4908/)より)。

 事業地の中心は同市衣笠地区に広がる「Y-HEART計画」地域です(Y-HEARTとは横須賀市が1995年に策定した土地利用構想=Yokosuka-Human Environmental Advanced Research Townの略)。この地域は2002年、研究開発拠点および宅地の造成を目的として事業者:西武鉄道(株)が環境アセス手続きをとり、同年評価書公告が終わっているのですが、景気低迷を背景に、工事未着手のまま12年が過ぎたものです。この地域に新しいNTC施設を誘致しようというのが、今回の計画の概要です。

 京浜急行本線特急で品川から50分、横浜から30分、横須賀は東京湾と相模湾の間に突き出た三浦半島に位置した緑豊かな街です。1865年の横須賀製鉄所建設以来、軍港として栄えた歴史を持っていますが、近年深刻な人口減に直面しています。現在の人口は約41万人、住民の高齢化による自然減や2003年の浦賀ドック閉鎖など相次ぐ工場閉鎖による社会減を背景に、ピークだった1992年に比べ、約6%減少し、2013年には人口減少数が全国トップという不名誉な記録を作りました。地域活性化は喫緊の課題で、すでに市中心部の横須賀中央エリアでは、大型商業施設と高層マンションを組み合わせた複合施設の再開発事業が始まっています。

 「Y-HEART計画」地域は市中心部から車で30分弱、横浜横須賀道路・衣笠ICのすぐそば、面積90㏊のなだらかな丘陵地帯です。12年の間に当該地の樹木は相当量繁茂していることから、植物・動物・生態系への影響を工事着手前に再調査することが必要でしょう。また、近隣の住宅建設も進み、当該地直近まで迫って建てられている住宅もあることから、近隣住民への丁寧な事前説明は、企業および自治体の社会的責任として当然のことと感じました。

 午前中の調査を終え、市中心部に戻ってスタッフと遅めのランチをとりました。横須賀というと「海軍カレー」や「ネイビーバーガー」が有名ですが、B級グルメ店も多く、この日つれて行ってもらった「翁美屋」は特大牡蠣フライ5個+キャベツ山盛り、どんぶりご飯と具だくさん味噌汁、ほか2品付きで700円!(完食!!)
 このほか中央駅近くには午前10時から開店している老舗居酒屋がいくつかあるそうです。今回は時間の関係で内部を見られなかった記念艦「三笠」の船内をゆっくり見学したのち老舗居酒屋を楽しむ、そんなディープな横須賀ツアーに思いをめぐらせながら帰途についたのでした。

教授 三島 万里
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by bwukokusai | 2014-11-11 10:01