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文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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インディアンサマー (Indian summer)


暑い夏が過ぎ、今後残暑はあるものの秋は着実に進んでいる。寒さが支配的になってきた頃に暖かな日差しが差し込む日を誰しも経験したことがあるだろう。このような天候を我々は小春日和と呼んでいるが、そうした天候を英語ではインディアンサマー(Indian summer)と呼ぶ。今回はこのインディアンサマーについて触れてみる。

インディアンサマーという表現は、北アメリカ東部のニューイングランド地方で最も頻繁に使用されるが、現在ではアメリカ以外の英語を話す国々でも用いられ、日本の小春日和にほぼ相当する天候をさす。晩秋から初冬にかけ寒さが厳しくなり始めるころ、暑さが戻り暖かく乾燥し霞のかかった天候が本来のインディアンサマーである。このような天候になる理由は、高気圧がこの時期に発達しやすいからだといわれている。

インディアンサマーという表現の使用は18世紀にさかのぼるが、なぜインディアンサマーと呼ばれるのか起源に関して諸説あるのでいくつか紹介してみる。その一つは、アメリカインディアンが冬に向けて狩りをして収穫物を貯蔵する習慣と関係があると言われている。冬支度をするために夏の間のように働くということから、インディアンサマーと呼ばれたという説。あるいは、インディアンの住んでいた地域に特にこのような天候が多く見られたからだという説。 または、18世紀後半植民地をめぐる争いがあったころの北アメリカで、入植者に奪われた土地をインディアンが奪還しようとして襲撃が多くなった時期から由来しているという説。ヨーロッパからの移住者たちがインディアンと取引をした際に本国の物と違う物をつかまされたという経験からインディアンを偽物という意味で捉えるようになり、寒くなってから暖かい日は長く続かないことから「偽物の夏」という意味でインディアンサマーが使われたという説。インディアンの伝説で神様が冬の前にキセルでタバコを吸い、その煙が暖かな一日を生み出すという説。インディアンギバー(人に物を与えておいてそれを取り返そうとする人)から由来しているという説等々。以上のように起源に関しては諸説あるが、どれもアメリカ先住民族のアメリカンインディアン(現在ではネイティブアメリカンというのがふつう)と関係していることは確かである。しかしどの説から由来したのかは定かではない。また、インディアンサマーは「晩年の穏やかで落ち着いた生活の続く一時期」とか「人生や時代の円熟した晩年期」という比喩的な意味も英語にはある。

他の国では同じような天候を指す表現があるのだろうか? 英国では、11月11日の聖マルティヌス祭の頃に夏のように暑くなることから、「聖マルティヌスの夏(Saint Martin’s summer)」という表現が使われ、ドイツでは、「老婦人の夏」、ロシアでは「婦人の夏」、中国では「小陽春」または「小春」という表現が使われているようだ。 
               

教授  石田 名都子
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by bwukokusai | 2014-09-09 13:42 | 教員コラム