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文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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訪日2,000万人へのアクション・プログラム

 日本の観光に追い風が吹き続けています。訪日外国人数は昨年初めて1,000万人を達成し、今年の1月~5月も既に520万人と過去最高のぺースで推移しています。また、日本政府(観光立国推進閣僚会議)は、6月に「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014」を策定し、発表しました。(観光庁H/P

 この「アクション・プログラム2014」は、2020年に訪日外国人2,000万人の達成を目指して、今後取り組むべき以下の6本の柱から構成されています。

 ①『2020年オリンピック・パラリンピック』を見据えた観光振興
 ②インバウンドの飛躍的拡大に向けた取組
 ③ビザ要件の緩和など訪日旅行の容易化
 ④世界に通用する魅力ある観光地域づくり
 ⑤外国人旅行者の受入環境整備
 ⑥MICE(注)の誘致・開催促進と外国人ビジネス客の取り込み

 (注)Meeting(会議・研修・セミナー)、 Incentive tour(招待・報奨旅行)Convention/Conference(大会・学会・国際会議)、 Exhibition/Exposition/Event(展示会・博覧会・イベント)の頭文字をとった造語。MICEは大規模に人が 動き、参加者の消費も通常の観光旅行に比べて大きいと言われ、各国がその誘致に努力している。

 この6本の柱のもとに記載されている施策を抜粋していくつかご紹介します。
 まず、ハード面では主要空港の機能強化をはじめ、地方への航空、鉄道アクセスの向上、出入国手続きの簡素化・迅速化、地方空港のCIQ(Customs税関 Immigration出入国審査 Quarantine検疫)体制の整備、などが挙げられています。また、道の駅や郵便局、コンビニなどを外国人旅行者への観光情報提供拠点とするとともに、各地に無料Wi-Fiを整備し、また、多言語対応の強化を目指しています。さらに、免税店規模を2014年4月現在の5,777店舗から、地方を中心に拡大し全国で1万店規模にすることとしています。
ソフト面(システム・制度面)では、自然景観や国立公園を活かしたエコツーリズム、サイクルツーリズム等の推進、海洋観光の振興、農林漁業体験民宿の拡大、日本食文化などの観光素材の開発などによって、日本文化の情報発信強化が計画されています。また、東南アジアへの集中プロモーションに加え、中国、インド、ロシアなどに対し、強力なプロモーションが実施されます。ビザ要件緩和では、インドネシア、フィリピン、ベトナム、の3か国でビザ免除を予定するとともに、外国人富裕層を対象とした長期滞在制度(最長1年)を設定することも検討されます。
 ヒューマン面では「観光産業の人材育成」が挙げられています。観光の多様なニーズに応える人材を育成するため、専門学校、大学、大学院等の教育機関と連携し、観光産業全体の質の向上・人材の高度化を図る、としています。
 また、「IRについての検討」も課題とされています。IRとはIntegrated Resort(統合型リゾート)の略で、MICE施設やホテル、レストラン、商業施設、アミューズメントパーク、劇場、スポーツ施設などに「カジノ」を含んで一体となった複合観光集客施設のことで、シンガポールやマカオで見られる形態です。

 「アクション・プログラム2014」は可能な限りのあらゆる施策を具体的な数値目標も含めて網羅した内容で、実行のロードマップは明確にされていませんが、何としても2,000万人の「高み」を達成しようという強い熱意が感じられます。
 目標の達成には、訪日外国人旅行客の満足度向上とリピーター化が必須で、そのためにはこれらの施策に加え、旅行客をお迎えする側の「おもてなし」の心が極めて重要です。観光を学んだ学生が社会で果たす役割も今後ますます大きくなっていくことでしょう。

教授 高橋 哲夫
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by bwukokusai | 2014-07-01 10:00 | 教員コラム