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文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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オマーン・スルタン国

オマーンという国がどこにあるか知っていますか。
サッカーの試合に関して位しか日本のマスコミには出てこない国ですね。

先日、日本・オマーンクラブ主催のオマーン料理教室とアラブ部族社会についての講演会があり、大使館に出かけてきました。広尾にある瀟洒な建物で、応接室には良い香りが漂っていました。

オマーンは1998年に参加した第10回世界青年の船の寄港地の一つでした。首都マスカットに入港したときの歓迎放水、楽隊によるパレード、そしてコーヒーポットや船のレプリカの見られる街の様子…。ゆったりとした時の流れとともに悠久のアラビアを印象付けられた国でした。
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面積は日本の約80%で、人口は約300万人(うち外国人100万人)。絶対君主制の国です。60年代後半に産出するようになった石油の恩恵で、国民は税金、医療費、教育費の面で優遇されています。結婚する際には土地も安く分けてもらえると聞きました。ただ、そうなると、あまり労働に身が入らなくなるのが人の常で、外国人が様々な場で活躍するようになります。石油が枯渇した後のこと、若年人口が多いことを考慮し、現在、労働のオマーン人化政策を推進しているそうです。日本との関係も強く、日本はオマーンにとって重要な貿易相手国の一つであり、親日的な国です。

大使館では大使夫人による乳香の説明も行われました。乳香は日本では馴染みがありませんが、シバの女王(紀元前1000年頃)の時代からアラビアでは珍重されてきました。乳香というのは傷つけた乳香木から流れ出る樹液が固まったもので、焚くと爽やかな甘い香りがします。キリスト生誕の際に東方の三博士が贈った物の一つでもあります。当時、乳香は金よりも価値があったのだそうです。
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オマーンは世界一の乳香の産地であり、質の良い乳香の採れる国でもあります。オマーンの家庭では香は身近にあり、家の中を清めるとき、くつろぐとき、お客様を迎えるとき、そしてさりげなく帰りの時間を知らせるとき等に焚くそうです。乳香の香りは整腸、消化にも良く、口に含むこともあります。大使夫人は衣服に焚きこめる様子も実演してくださいました。燃え尽きるときに焦げた香りになるので、そうなる前に水をかけて消すということも教えて頂きました。ちなみにドファール地方(オマーン南西部)には世界文化遺産の「乳香の土地(Land of frankincense)」があり、そこにはシバの女王の別荘跡とされる遺跡もあるのだとか。

さて、大使館の入口には「オマーン・スルタン国大使館」とありました。日本の外務省の文書にはオマーン国とあります。伺ってみると、英語での正式国名はSultanate of Omanで、1972年に日本に大使館が開設された際に「オマーン王国大使館」という訳にしていたのですが、Sultanateの訳は「王国」ではないということで、2008年に広尾に移転したのを機にスルタンとそのまま表記するようにしたのだそうです。ところが、スルタンと言っても普通の人には分かってもらいにくいので、口頭では「オマーン大使館」と言っているというご説明でした。

隣国UAE(United Arab Emirates)はアラブ首長国連邦です。今度は、スルタン、王、首長(Emirates)の違いが知りたくなってきました。世界の国々を知るのは興味の尽きないことだと思いませんか。

教授 齊藤眞理子
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by bwukokusai | 2013-07-16 09:00 | 教員コラム