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文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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脱・あなた任せの日本人

 英語をしゃべりたがらない日本人と、国が自衛能力を持たなくていいと思っている日本人には、共通性がある。それは、あなた任せというところ。むろん、正しく美しいEnglish など皆が出来るようになる必要はない。しかし、Globish (英語をベースとした世界共通語)の方は、あらかたの人が使えるようにならないと、世界における日本の存在感は、消えていく一方だ。日本という国が千年後にも健在な形で存在するためには、グロービッシュと自衛能力は、当然不可欠だ。
 「他国の人とは話しません。自分の国は、守れません。いえ、たいして愛国心もないんですよね」などという国を、誰が本気で相手にするだろう。日本が攻撃を受けた際でも、アメリカ大統領が国益と天秤にかけた上で「日本を守る」と決意しない限り、米軍はまったく行動できない。たとえ米大統領が軍に出動命令を出したところで、その有効期限はたかだか2ヶ月。それ以上の期間については、アメリカ議会の同意が必要となる。反日的議員も多く、日本に不利な法案が年中通っているような議会の同意を得るのは簡単ではあるまい、と元航空幕僚長も案じている。(SAPIO 2012年 11月号)
 だいたい日本文化をさほど大事にしていない日本人に限って、英語の早期教育は必要ないなどと井の中の蛙的なことを言う。私は、茶道、華道にしても筝曲、日本画にしても、和の文化は大好きだ。好きなものならば、他の国の人間にそれについて尋ねられた時には、仕様が無いから英語も使って充分に伝えてやりたい。「おまえが日本語をマスターするまで教えてやらぬ」と言って奥義にだけ辿りつかせようとしていたのでは、日本文化の良さにふれて日本に好感を持つ外国人は一握りに限られる。
 「日本人は10年英語を勉強しているのに、しゃべれるようにならない」と不満げに言う人にも、世界の動向は全く見えていない。日本における英語の授業コマ数は、圧倒的に足りない。TOEFL スコア世界一のオランダ(ちなみに、日本は51位)では、英語の授業数は日本の3倍以上ある。外を歩けばいくらでも英語スピーカーと話す機会があふれている環境である上に、きちんと学校で学ぶ。家に帰れば、ほとんどのテレビ番組が英語で流れ、オランダ語は字幕のみだ。デンマークでは、英米の番組がそのまま流され、ほとんどの番組にはデンマーク語の字幕さえない。マレーシアでは、幼稚園から皆英語を学んでいる。
 他の国は、もっと真剣に将来を見越して行動している。少なくとも、こんな近視眼的な英語教育方針で右往左往してはいない。日本語をある程度マスターしてから英語をやるべき、などという非科学的なことも、絶対に言ってほしくない。あらゆる実験結果が示す通り、大人では気づかないような小差にも敏感な幼児のうちに、舌の動きが固まらないうちに英語の発音は体で覚えさせておいた方がいい。エルとアールの完璧な聞き分け能力は3歳までに培われ、その後自分で正しく発音して口で覚えていれば、スペルをがむしゃらに書いて覚える必要もない。
 ああ、子ども達に外国語をしゃべることへの羞恥心が芽生えるまで充分に待って、ネイティブの子ども達の脳には生まれて10年も15年もかけて入っていく英語の知識を、3年ぐらいで詰め込むという、的確なる英語嫌い製作法を、いったい誰が思いついたのだろう。母音中心に耳と舌の固まったティーン・エイジャー達が子音中心の英語の発音に苦労するのを見るのが、しのびないとは思わないのだろうか?教員達は、現場の声をあらゆる場面であげて、異議を唱えていく他ない。
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教授 久保田 文

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by bwukokusai | 2012-11-13 10:33 | 教員コラム