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文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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アウンサンスーチー女史

  「勇気を与えてくれる人」は私達の周りにもたくさんいると思いますが、世界的に有名で「何事もあきらめてはいけない」と身をもって教えてくれる代表的な人物は、アウンサンスーチー氏ではないでしょうか。群衆の中に凛として立ち、マイクを持って演説をする姿に感動を覚える人も多いのでは。ここ20年以上スーチー氏については、新聞やテレビなどでいろいろ報道されてきましたが、最近特に脚光を浴びているスーチー氏とはどんな人物なのか少し述べてみたいと思います。
 1945年にビルマ(現ミャンマー)に生まれ、母国での教育の他にインドのニューデリーや英国で教育を受け、インド建国の父マハトマ・ガンジーの哲学と仏教思想に影響を受けました。ビルマの独立運動のヒーローであった父は、1947年に暗殺され、母も著名な政治家でした。1972年に英国人と結婚し、翌年長男を1977年には次男を英国で出産。1988年に母の看病のためミャンマーに帰国しますが、同年民主化運動のリーダーとなり政治活動を開始することになります。しかし1989年から2010年の21年間のうち15年もの間、ミャンマー政府に自宅に軟禁されたり、政治犯として投獄されるなど自由と政治活動を束縛されてしまいます。この間、癌で死を宣告された夫のミャンマーへの入国も許可されず、ミャンマーから出国することは許可されたのですが入国を拒否されることを恐れ、夫とは死に目に会えずに終わってしまいます。1991年にはアジア人女性初のノーベル平和賞を受賞しますが、21年後の今年の6月16日にノーベル賞の授賞式に臨む事になりました。
 その授賞式でのスピーチはスーチー氏の人間性を顕著に表し、民主化運動のリーダーとして世界へ向けたメッセージとなりました。このスピーチはミャンマーの国の存在を世界の人々に知らせる絶好の機会でもありました。スピーチの中でスーチー氏はこのノーベル賞は、自分をもう一度社会に戻してくれたが、もっと重要なことは、と以下のように述べています。

   "…, the Noble Prize had drawn the attention of the world to the struggle for  
   democracy and human rights in Burma. We were not going to be forgotten.”
   このノーベル賞は、世界の注目を民主化と人権を獲得しようと戦っているビルマの人達に集めてくれた。
   我々は忘れ去られることはなかった。

スーチー氏が軍事政権によってつけられた「ミャンマー」という国名を使わず、あえて「ビルマ」という旧名をスピーチで使ったのは、軍事政権の行ってきた政治を認めていないというスーチー氏の抵抗のあらわれなのかもしれません。又、平和についてスーチー氏の現実的な考えを次のように話しています。

   平和というものは目に見えるものではなく、究極の世界平和は手に入れがたいゴールである。しかしそ
   の平和を達成できなくとも、平和を求めようとする共通の努力は、個人と国家の信頼と友好を深めより
   安全で人に"kinder"な社会を築くであろう。この"kinder"という言葉は長年にわたる熟慮の末に使っ
   た。自分が学んだ教訓の中でもっとも大切な教訓は、思いやりの価値を学んだことである。自分が受け
   たいろいろな体験から分かったことは、思いやりというものはこの世界にけして充分に存在しているとは
   言えない事である。しかし思いやりは人々の人生を変えることができる。

 スーチー氏についてはこの紙面では伝えきれないことがたくさんあり、ご興味のある方は、ぜひ下記のサイトでスーチー氏についてお読みいただきたく思います。尚、「The Lady アウンサンスーチー引き裂かれた愛」という映画が7月21日より全国公開されるそうです。

参考:
1. aung san suu kyi speech で検索
   Aung San Suu Kyi –Wikipedia, the free encyclopedia
2. http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/peace/laureates/1991/kyi-lecture.html
                                                        
                                                       

                                                        教授 坂本 政子 

                                                                  
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by bwukokusai | 2012-07-10 11:18 | 教員コラム