文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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英語の秋の表現

金木犀の香りや店先に積まれている栗やマツタケをみると秋を感じます。秋になると空気が乾燥して過ごしやすくなり、木々の葉が赤く染まり我々の眼を楽しませてくれます。また、暑い夏から寒い冬に向かうまでのつかの間の安らぎにも似た時間を秋は提供してくれます。日本語ではこの季節を表すことばは1つですが、英語には秋を表すことばが2つあります。今回はこの英語の秋を表すことばについて、少し触れてみたいと思います。

英語には秋を表すことばとして、autumn と fallの2つがあります。 主にアメリカではfallが、イギリスではautumnが使用されています。16世紀頃からイギリスではこれら両方の単語が秋を意味することばとして使われるようになりました。autumnはラテン語のautumnus「増大の(季節)」が起源です。fallは「落下」を意味する古英語に由来しています。 秋になると木々の葉が落ちる、つまり「落ち葉」のfall of the leafに由来しています。

16世紀以前イギリスではharvest が秋を表すことばとして使われていました。harvestはもともと「集める」の意味で、「実になったものを集める」ということから「収穫」となり、その季節が秋であるので「秋」という意味で用いられるようになったようです。

ではなぜ、harvestの代わりにautumnやfallが使われ始めたのでしょうか? 16世紀になると都市化が進み身近に農耕地が少なくなり, 秋が収穫と結びつきにくくなったのではないかと言われています。その代わりに、当時知識人が使っていたラテン語由来のautumnや「落ち葉」由来のfallが徐々に用いられるようになったようです。しかし19世紀半ばまでにはfall はだんだん使われなくなりました。現在イギリスではautumnが主に使われていますが、イギリスのある地方では「秋」の意味としてfallが依然使われているところもあります。

一方、アメリカではfall が主に使われていますが、これは17世紀初めのころイギリスからアメリカへ入植した人々がfallを使う地方の人たちで、それがそのままアメリカに根づいていったのです。しかしアメリカでも「秋風」のautumn breezeのような表現はわざわざfallになおさずにそのまま使われています。 autumnのほうがより詩的で文語的な感じがするそうです。このように文脈によってはautumnが好まれる場合もあるようです。

読書の秋、実りの秋、食欲の秋を皆様はどのように過ごされるのでしょうか。

                                               教授 石田 名都子

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by bwukokusai | 2011-10-11 10:41 | 国際文化・観光学科の紹介