文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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スーパーにもブランド?

 皆さんは食料品などの買い物をどこでしますか?コンビニ?スーパー?服を買うときはどこに行きますか?原宿?渋谷?それともアウトレット?家の近くにはどんな商業集積(複数の小売店が集まったもの。繁華街の百貨店・専門店、郊外のモール、駅前商店街など)があるか、気をつけてみたことがありますか?
 文化学園大学は今年の7月、2週間の節電休校期間をもうけました。といっても単なるお休みではありません。期間中、学生のモチベーションを維持するために科目ごとに課題が出されました(つまり1週間20コマ履修していれば20の課題!)。私の担当科目「コーポレート・ブランド論」は流通産業がテーマなので、それぞれの家の近くの商業集積・話題の商業集積の実地調査報告が課題でした。

 まず、一人一人が行きたい商業集積を決め、企業HPなどから事前調査をします。休校期間を利用して実家に帰る学生は地元にできた新しいモールを、都会の学生は再開発ショッピングセンターやしばらく足を向けなかった古くからの商店街を選びました。珍しいもの大好きな学生には、郊外に次々オープンするアウトレット、コストコ・イケアなどの外資系大型小売店がおすすめです。
 次はデジカメを持って実地調査です。どのような立地状況か、アクセスは、どんなものを売っているか、お客はどんな人が多いか、その集積の売りはどんなところか、何が一番売れ筋か、をしっかり調査し、できればお店の人にインタビューします。そして持ち帰った情報をパワーポイント化し、それぞれの感想や改善点はどんなところか、などを自分の言葉で報告・議論します(このような「映像+語り合い」の授業をデジタル・ストーリー・テリング(DST)といい、個人の表現能力を高める手法です)。

 学生の報告は若い目線からの発見や提言が盛りだくさんで、活発な議論が飛び交いました。なかでもコストコは、アメリカに本社をおく「会員制総合物販業」という新業態で、1999年日本に初上陸、「いいものだけを世界から」のコンセプトのもと9店舗を開設、さらに2011年中に4店舗をオープンするといういま“旬”の企業です。
 店舗面積、集客数、倉庫型の店内に積み上げられた商品、家具・家電製品からオフィス用品・食料品までの幅広い品揃えと商品一つ一つの“デカ”さ(たとえば国産メーカーのポテトチップスは通常の5倍程度)などすべてがメガサイズ。さらに店舗内にはホットドッグ・ピザなどが食べられるフードコート(ドリンクフリー!)がもうけられ、家族で一日楽しく過ごせる新型テーマパークとして人気を集めています。調査では3人の学生がそれぞれ異なるコストコ店舗を報告、その魅力とともに駐車場にはいるまで2時間という「コストコ渋滞」のすさまじさ、買いすぎて「コストコ貧乏」に陥る魔力、などを紹介してくれました。
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 実はこうした大型店の出店は、出店地域の生活環境を守ることを目的とした「大規模小売店舗立地法」という法律により、設置者が都道府県知事に届け出、交通・駐車場・騒音・廃棄物などを中心に審議されることになっています。そしてその集客数がもたらす交通混雑とトラックによる商品納入(荷捌き)量の大量さゆえに、日本各地で大型店出店(とくに住宅街へのそれ)が問題化しており、コストコはその典型例です。
 ブランドとは海外ラグジュアリー製品のみにいうのではありません。ペットボトル飲料・洗剤など私たちが日常的に使用する商品やそれを製造・販売する企業そのものにも適用される概念です。消費者に生活の便利さと楽しさ・夢を提供してくれる小売業でも、近隣渋滞の日常化、30トン級トレーラーが日に数回生活道路の中まで進入してくることなどを考えると、その企業の「ブランド」価値や「評価」が下がるのは当然でしょう。企業行動の裏側を自分で発見し、企業を評価する目を養っていくことも、現代文化学部での学びの一つなのです。
                                       教授 三島 万里
文化学園大学 現代文化学部 国際文化学科のHPはこちら
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by bwukokusai | 2011-09-06 09:31 | 国際文化・観光学科の紹介