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文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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Trouble is the Key!

外国語習得において最も効果的な方法は、自ら困難な状況を作ることです。日本人がなかなか英語を習得できない理由は、実に当たり前なことですが、日本にいて英語を話す必要がないからです。英語を話せなくても困らないからです。

以前、英語を教えていた大学生にラグビー部の男子がいて、ニュージーランドの高校生と親善試合をするからしばらく休むと言ってきました。それまでは欠席の多かったその学生は、遠征から帰って来るなり、汚れたユニフォームのまま片手に教科書を握りしめ、毎週のように姿を現すようになりました。ニュージーランドの選手とラグビーの話ができなくて困ったと言うのです。その後、彼はたいへん優秀な成績で英語の単位を取得しました。

a0149405_6403460.jpg「言語能力が生命に関わる」という意味で、フィンランドは代表的な例でしょう。国際学会でヘルシンキへ行った時のことです。物価の高さにも度肝を抜かれましたが(日本の3倍くらい)、何より驚いたのはその言語能力。一般人で3カ国語は当たり前、5、6カ国語話せる驚異的な人物もおりました。生まれつき自分でも信じられないくらいの方向音痴で、ヘルシンキ到着後、当然迷子になりました。近くで携帯電話をいじっていたおにいさんに、おそるおそる英語で道を聞くと、まるで英米人並の流暢な英語で細かく指示をしてくれました。フィンランドの言語教育は歴史によるところが大きく、ロシアとスウェーデンという2大国に占領され、非常に困難な政治状況を乗り切ってきた国です。言葉が国民の命を左右するという意味で、言語習得における究極の環境と言えます。「命がけで英語を勉強せよ」とは言いませんが、「海外旅行で英語が話したい」レベルの目的意識では、とても上達というわけにはいきません。

a0149405_6405385.jpgヨーロッパのどの国でも、英語が通じる人などそうはいません。私自身が英語で話しかけた時には、ドイツではもって1分、イタリアやフランスでは相手にされませんでした。しかし、ヘルシンキのキオスクのおねえさんとは30分の会話が成立しました。厳しい外国語教育の環境を作らなければ、何年勉強したところで、トラベル・イングリッシュの域を超えることはできないでしょう。

                                   教授 白井菜穂子









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by bwukokusai | 2011-07-05 06:46 | 教員コラム