文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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節電休校

 このブログがアップロードされる頃、本学は節電休校に入っています。6月27日から7月8日まで、土曜日を除いて授業を休講とし、学生には課題を与え2週間後に授業再開となります。但し、事務局、図書館は通常通りです。これは、東日本大震災後の福島第一原子力発電所の事故による電力供給量不足に伴い、大口需要事業者に課せられている15%の節電を実施するためです。節電のための休校?これまでになかったことに対して、教員も学生も戸惑っています。

 第2次世界大戦に負けた日本は、戦後復興を成し遂げ、高度経済成長を達成し、欲しいものは何でも手に入れる、水も電気も使い放題の生活をしてきたようです。バブル崩壊後、経済成長率は鈍化したとは言え、多くの学生にとって電気が得られず何かを我慢するという生活とは無縁であったように思います。つい最近までは、政府のエコポイントにつられて、より大型のTVを、より大型の冷蔵庫をと、より大きな家電を家の中に持ち込み、オール電化住宅の宣伝も派手にされていました。高まる電力需要に応えて、日本各地に原子力発電所が建設されました。そして、広島、長崎の原爆により核アレルギーが強いと言われた日本が、原子力の平和利用の国策により、原発基数で言えば、アメリカ(104基)、フランス(58基)についで世界第3位の54基を所有する原発大国への道を進んできました。(原発基数は、「原発増設ブレーキ」朝日新聞2011年5月27日参照。)

 今年の4月5日に新入生を迎えた時、いつもの入学式ですが、迎える方も迎えられる方も、いつもとは違う不安を抱えていたと思います。2011年3月11日の大震災を経験した者として、津波、原発事故を知った者として、まだ平常心を取り戻せていない時でありました。5月のフレッシュマンキャンプ(長野県飯山市での新入生合宿授業)においてディスカッションをした時、多くの学生が東日本大震災のことについて懸命に話していました。普通に生活できること、勉強させてもらえることに感謝の気持ちを口にする学生が多かったのです。あの日は高校の卒業式だったという学生もいました。校名変更前の文化女子大学としても最後の卒業式の日でした。日本に留学しようかどうしようかと随分迷った留学生もいました。学生は「今自分にできることは何か」を確かめ合い、3月11日という共通の経験の上に生きている仲間という気持ちを強めたのではないでしょうか。

 1995年は1月の阪神淡路大震災により日本でのボランティア元年と言われます。2011年は東日本大震災により、我々が我々の足元、生活のすべてを見直すエネルギー再考の年になると思います。3月11日以前にはもう戻れないのです。今年の新入生は去年までの学生とは違う面を見せていると感じています。3.11世代という新たな世代が生まれています。梅雨空に咲く私の好きな紫陽花(アジサイ)の花をめでながら、この節電休校の意味を考えています。
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                                                      教授 城 由紀子
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by bwukokusai | 2011-06-28 12:56 | 教員コラム