文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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元気を出して!

東日本大震災(「東北関東大震災」、あるいは「東北地方太平洋沖地震」とも呼ばれていますね)が起きてから10日が経ちました。被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。3月11日に起きたこの大地震と大津波は、世界史に深く刻み込まれるであろう大災害であったことは疑いようもありません。また、原子力発電所の事故(正確には、原子炉冷却における事故)は、エネルギーのあり方について根本的な問題を浮き彫りにしました。被災者の救助・救援と原発災害の収拾に向けたあらゆる努力が、少しでも早く成果を得られるようにと祈らずにはいられません。

3月11日、文化女子大学では新都心キャンパスで、卒業式が3回に分けて挙行されていました。地震が起きたのは、3回目の式の開始予定時刻の約15分前でした。免震構造ゆえでしょうが、20階の高層ビルの校舎が風になびく巨木のようにゆらゆら揺れるのを見たとき、「冷静になれ」と念じながらも足が震えるのを止められませんでした。結果的には、窓ガラス一枚壊れることなくその場は収まりました。でも、首都圏の交通機関のほとんどが止まってしまいましたので、多くの学生とその保護者、それから教職員が大学で一晩過ごすこととなりました。私にとっても初の「帰宅難民」経験です。

被災地の方々の苦しみと悲しみに比べれば、「帰宅難民」の経験など蚊に刺された程度のものでしょう。それでも、その場に居合わせたことで、普段は意識しないいろいろなことを教えられました。人生の教訓というような大げさなものではありません。避難誘導という教員としての仕事がきちんとできたか、家族などの身近な人の安否を確認できないときの不安がいかに大きいか、正確な情報を入手することがどれほど難しいか、などといったことです。

大学で一晩過ごす中で、心温まる経験もしました。学生の皆さんは、急遽避難場所となった体育館や教室で、取り乱すことも無く互いに励ましあっていました。多くの海外メディアが、被災者の冷静な行動を驚きと賞賛をもって報道していましたが、似たような光景を見ることができました。人が人として生きるときの最も尊い姿ではないでしょうか。それに、若者はただ存在するだけで周囲を明るくすることができるものですね。「せっかく舞台とピアノがあるのだから、なにかやろうよ」と体育館をパフォーマンス会場にするような雰囲気さえありました。もちろん、これは周囲を明るくしようとした学生の冗談です。

被災者への救援も原発事故の収拾も、これからが本番でしょう。「復旧」などという言葉では言い尽くせない膨大な仕事に日本全体が直面しています。でもその使命の大きさに押しつぶされてはならないと思います。極限状態の中でも耐え抜く覚悟を示しておられる被災者の方々に思いをはせ、我々一人一人が今できることは何かを考えたいと思います。

                                                      教授 中沢 志保

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by bwukokusai | 2011-03-22 08:34 | 教員コラム