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文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋

 10月下旬になり、急に寒くなってきました。今年は夏が酷暑だったことから、急激な気温の変化に体がついて行けなくて戸惑っています。
 夏がどんなに暑くとも、日本では季節はめぐり、秋を迎えます。秋といえば、スポーツの秋、食欲の秋、そして読書の秋ですね。気温が下がることで屋外活動が好ましい季節を迎えます。体を動かせば、お腹がすきますので食欲が増進します。また、秋は夜が長くなりますので、灯火の下で読書を長く楽しむことができます。四季のある日本の幸せを感じます。
 読書の秋といえば、読書週間が連想されます。読書週間は10月27日から11月9日の、11月3日の文化の日を挟んだ2週間になります。毎年、TVで日本最大の古本屋街での「東京名物・神田古本まつり」の映像がニュースで流れます。恒例の秋の風物詩ですね。また、本屋さんで買物をすれば、書店くじがもらえます。今年は国民読書年で10月23日には国民読書年記念式典が東京・上野の能楽堂で行われたほか、各地では図書館を中心に講演会や展示会など多様なイベントが行われています。
 さて、読書週間は、この様に良く知られていますが、誰が、何時から始めたのかは、あまり知られていません。今回は、この話題を紹介してみます。
 読書週間は読書推進運動協議会(略称:読進協)という団体が主催しています。もともとは、敗戦後の昭和22年11月17日から11月23日の1週間、文化国家としての日本を再建しようとの当時の時代の風潮から、出版社、図書館、取次、書店などの団体が協力して実行委員会を作って始めたもので、大盛会だったようです。当時は多くの人が本に飢えていたという事情があります。1週間ではもったいないということで(つまり、本がよく売れたのでしょう)、翌年から期間が現在の10月27日から11月9日の2週間に延長となりました。また、この時期のみの読書推進でなく、一年を通して取り組もうということで、昭和34年には実行委員会を発展させて読書推進運動協議会が作られました。春には、こどもの読書週間に取り組む等しています。
 実は、この読書週間には前史があります。それは、大正12年から昭和13年にかけての、11月1日から7日までの1週間の間に行われた図書館週間(主催:日本図書館協会)です。しかし、大正12年の関東大震災で大きな被害を東日本の図書館が受けたので、西日本中心の行事となり、全国的には翌年からの取り組みになりました。幾つかの府県では、図書館週間でなく、読書週間という表現を使った例があります。当時の東京市立図書館(*1)でも、読書週間と銘打って講演会、展覧会などを行った記録が残されています。
 戦前は図書館が中心でしたが、戦後は出版界を挙げてこの運動に加わり、読書推進に取り組んできました。このこともあって、日本人は読書好きという評価が定着するようになって来たのではないでしょうか。

*1 東京市立図書館:その後昭和18年には都制の施行により都立図書館になり、昭和25年に都立日比谷図書館を除き、区に移管された。23区の公立図書館の源流。
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                                                  教授 瀬島 健二郎

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by bwukokusai | 2010-11-09 17:44 | 教員コラム