文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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知識…知恵…そして、心の師

あなたが何かに迷って悩んでいる時、誰が助けてくれるだろう?友達、家族、先生…

うん、彼らは、とてもいい相談相手になってくれる。でも、心のもやもやが複雑な時は、身近な人でも充分に解ってくれないことがある。そんな時、私は、図書館や書店に行く。ニュースを見ていて、驚きや強い憤りを感じた時、その心の不均衡をもたらした原因の正体をつきとめるのに、ネット検索や新聞の知識だけでは、あまりに表面的だ。その事実に関わる本を読むことは、あなたのとるべき立場や今できることに気付かせてくれる。

そして、人生に漠然と迷いを感じている時、あなたに本当に必要なのは、知識以上に知恵なのだ。では、あなたの心の深い部分を揺さぶり、生き方を変えてくれるような知恵は、どこに求められるだろうか?長く人々に愛され続けてきた古典的名作には、馥郁たる英知の香りが漂っている。アメリカの文学者の中で薦めたいのは、19世紀のナサニエル・ホーソーン、ヘンリー・D.・ソロー、20世紀のソーントン・ワイルダーやジョン・スタインベック。彼らは、人類のために本当に必要な真理を求め、次世代のためにもなることを書きたいと真剣に考えていた作家だ。たとえば、スタインベックは懸命に書き終えた自作が、人々の希望をあまりに奪ってしまう、と考えて、身を切られる思いで、その原稿を火にくべたことがある。彼らの書いたものと、昨今のように、大衆の一時的な興味を満たすために金銭目当てで書かれたものとでは、雲泥の差がある。彼らとの出会いは、生涯の宝となるだろう。

人は、人生において、どれだけ多くの人の心に入りこめるだろうか?本の世界では、出会った人々の心の奥深くまで、いきなり入っていくことができる。その人が何十年もの人生で得てきたことを、一夜にして知ることもできるのだ。

同世代の友達は本当にいいものだけれども、図書館や書店の扉を開ける時、数百年も前の異国の人が、あなたに普遍的な知恵を授けてくれる未知数の可能性にわくわくしないだろうか?小平の図書室でも、古今東西の師や友が、あなたから手を差し伸べてくる瞬間を待っている。深い知識と色あせぬ知恵を、さあ、我がものに!
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                                                   教授 久保田 文

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by bwukokusai | 2010-09-07 06:56 | 教員コラム