文化学園大学 国際文化・観光学科ブログ“小平の風”

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選挙のお話し

皆さんは選挙に関心をもっていますか? 7月11日の日曜日に参議院選挙が行われましたね。ここでは、その選挙の結果についてではなく、主に選挙権(参政権とも言います)について少しお話しします。

現在の日本では、二十歳になると、性別・社会的な立場・財産・信条などに関係なく、すべての国民が選挙権を持つことができます。これを普通選挙と呼びます。当たり前の話に聞こえますが、実は世界中のすべての国々で普通選挙が行われているわけではありません。また、多くの国々がこのような選挙制度を確立するのに長い年月を費やしました。

まず、日本を例にとりましょう。成年男性の全員が選挙権を持ったのは1925年のことです。それ以前は、一定額以上の税金を払える男性にしか参政権はありませんでした。女性が選挙権を獲得したのは、第二次大戦が終わった年(1945年)で、日本の普通選挙はこの時に確立しました。このような政治改革を推し進めた人たちの中に、市川房枝さんという方がいました。彼女は、特定の組織に頼らず、個人的な支援者が手弁当で選挙運動を行うという独特の方法で、参議院議員を通算25年務めました。本学の新都心キャンパスのすぐそばに、記念館(正式には、「市川房枝記念会・婦選会館」)がありますよ。
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アメリカが国政レベルで(州レベルではなく)普通選挙を導入したのは1920年です。この国の女性たちは、黒人奴隷の廃止を訴える運動家たちと協力しながら自らの参政権を獲得しました。彼らは、「白人男性」優位の状況を変え、多様な価値を受容する社会を作ろうとする行動の中で、共通の目的を持ったわけです。

ごく最近に男女平等の普通選挙を実施するようになった国もあります。たとえば、バーレーン(2002年)、カタール(2003年)、クウェート(2005年)などです。また、絶対君主国に近いサウジアラビアでは、現在でも完全な立法権を備えた議会(国会)が存在しませんし、国政選挙での参政権を男女ともに認めていません。
選挙のあり方を知ることは、その国の歴史や文化を知る手がかりにもなりそうですね。

                                                       教授 中沢 志保

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by bwukokusai | 2010-07-20 08:46 | 教員コラム